仏壇の処分はどうする?自治体に出せます。順番を間違えないために
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親の家を片付けるとき、仏壇の前で手が止まります。捨ててよいものなのか、罰当たりではないのか。そこで数年止まってしまう人もいます。
- 仏壇は自治体の粗大ごみとして出せます。大阪市は1,000円、神戸市は大型ごみの扱いです
- 難しいのは捨てられるかどうかではなく、順番です。中の物を先に分けないと戻せません
- 法要の呼び方は宗派で違います。浄土真宗本願寺派は「お魂入れ」という言い方をしません

実家じまい全体の流れと、先に確かめる期限は実家じまいは何から始める?5つの段階と、かかるお金の全体像にまとめています。
仏壇は自治体の粗大ごみとして出せる
まず事実から書きます。多くの自治体は、仏壇を粗大ごみとして受け付けています。
大阪市の粗大ごみ処理手数料一覧に「仏壇」の項目があり、手数料は1,000円です。大阪市の区分は200円、400円、700円、1,000円の4段階なので、仏壇は最も高い区分にあたります。
神戸市は仏壇を大型ごみとして扱っています。ただし条件があり、5キログラム以内の重さで、ごみ指定袋に入り、袋の口を結べる場合は、素材に応じて燃えるごみか燃えないごみで出せると案内しています。小型の仏壇や、解体した部材が該当します。
ただし、受け付けない自治体もあります。扱いは市区町村ごとに違うので、動き出す前に窓口へ確認してください。聞き方は「仏壇は粗大ごみで出せますか。手数料はいくらですか」で通じます。
手数料は市によって大きく違います。政令市20市と東京都の2区で調べると、同じ台付きの仏壇でも500円から2,000円まで開きがありました(仏壇を粗大ごみに出すといくら?|22市区を調べたら同じ仏壇で500円から2,000円。金額の決め方が5通りある)。
つまり、費用の面では最も安い方法が公式に用意されています。それでも多くの人が業者を探すのは、金額の問題ではないからです。

先に中の物を分ける
仏壇は箱ではなく、中身のある入れ物です。まとめて出すと、戻せないものが混ざります。
取り出すのは次のものです。
- ご本尊と脇掛。仏壇の中心に安置されているもの
- 位牌。仏壇とは扱いが違います。まとめて処分しないでください
- 過去帳。亡くなった人の名前や没年が書かれた、家の記録です
- 遺影、写真、手紙
- 金属の仏具。りん、燭台、香炉など
過去帳は特に注意してください。書き写せない情報が入っていることがあります。処分する前に、写真に撮っておくだけでも記録が残ります。
注意:引き出しの奥まで確認してください。通帳、印鑑、現金、権利証が入っていることがあります。仏壇は家の中で最も「大事なものを入れる場所」として使われてきた家具です。
位牌の扱いは仏壇と別に決める必要があります。位牌だけ手元に残す、菩提寺に預ける、といった選び方があります。白木位牌と本位牌の違いや、宗派による扱いは位牌の処分はどうする?白木と本位牌で扱いが違いますにまとめてあります。
法要の呼び方は宗派で違う
「魂抜き」という言葉は、すべての宗派で使われているわけではありません。
浄土真宗本願寺派は、仏壇を迎えるときの法要を「入仏法要」または「入仏式」と呼び、「お魂入れ」「お性根入れ」という表現は使わないと公式サイトで説明しています。仏の徳をたたえる法要であって、魂を入れる儀式ではない、という考え方によるものです。
そのため、処分にあたって行う法要の呼び名も宗派によって変わります。菩提寺に「何と呼ぶ法要になりますか」と聞くのが確実です。インターネット上の呼び名をそのまま持ち込むと、話がかみ合わないことがあります。
この記事は宗教上の正しさを判断するものではありません。呼び名も作法も宗派と寺によって違うため、決めるのはご自身と菩提寺です。ここでは、確認すべき相手と聞き方だけを示します。
お布施の金額にも公的な統計はありません。これも菩提寺に直接聞いてください。「皆さんはどのくらい包まれていますか」と尋ねて構いません。金額を先に確かめておけば、当日に迷わずに済みます。表書きの書き方と、浄土真宗では法要の呼び方が違うことは離檀料は払わないといけないのか|相場の根拠、断り方、証明を出してもらえないときの手続きと、閉眼供養のお布施の書き方に書きました。

処分の方法は4つ
どれを選ぶかは、菩提寺があるかどうかと、運び出せるかどうかで決まります。
1 菩提寺に相談する
法要を頼み、そのまま引き取ってもらえる場合があります。運搬が1回で済むのが利点です。引き取りまで受けているかは寺によって違うので、法要の相談と一緒に聞いてください。
2 自治体の粗大ごみに出す
費用は最も低く抑えられます。大阪市の1,000円が目安になります。ただし、指定の場所まで自分で運ぶ必要があります。大型の仏壇は分解しないと運べないこともあります。
3 仏壇店に引き取ってもらう
購入した店や、地域の仏壇店が引き取りを受けています。買い替えとセットなら費用が下がることがあります。法要の手配まで頼めるところもあります。
4 遺品整理や不用品回収の業者に頼む
他の家財とまとめて出すときに向いています。仏壇だけを頼むと、運搬と人件費が仏壇1点に乗るので割高になります。片付け全体の中に含めるほうが無駄がありません。不用品回収の業者に頼む場合は、市区町村の一般廃棄物処理業の許可業者かを先に確かめてください(不用品回収の業者はどう選ぶ?|許可の確かめ方、相場の実額、「定額」「詰め放題」の落とし穴)。
業者に頼む場合は、一般廃棄物処理業の許可があるかを先に確認してください。確認のしかたは遺品整理の業者はどう選ぶ?ランキングより先に見る許可と書面にまとめてあります。
粗大ごみに出すときの手順
自治体に出す場合は、当日いきなり運び出せません。申し込みが先です。
- 窓口に申し込む。電話かインターネットで受け付けています。品目と大きさを伝えます
- 収集日と手数料が決まる。申し込みから収集まで日数がかかります。名古屋市は2週間程度みておくよう案内しています
- 手数料を納める。コンビニなどで納付券を買うか、電子決済に対応している自治体もあります
- 指定された日の朝、指定の場所へ出す
運び出しは自分でやることになります。ここが最大の関門です。仏壇は重心が高く、扉や引き出しが動くため、一人で運ぶと危険です。
分解して部材にすれば運びやすくなります。神戸市のように、5キログラム以内で指定袋に入れば通常のごみとして扱う自治体もあります。ただし金属部品やガラスは分けて出す必要があるので、分別のルールを先に確認してください。
家族に先に伝えておく
仏壇は、家族の中で意見が割れやすいものです。費用や手続きより、ここでつまずく人のほうが多くいます。
決める前に、次の3つを共有しておくと揉めにくくなります。
- いつ、どうするつもりか。日程を先に伝えます
- 法要をするかどうか。する場合は誰が立ち会うか
- 位牌をどうするか。手元に残すなら誰が持つか
特に位牌は、あとから「相談がなかった」と言われやすいところです。仏壇と違って持ち運べる大きさなので、誰かが引き取るという選択ができます。処分してしまうと戻せません。
遠方のきょうだいがいる場合は、動かす前に写真を撮って共有してください。あとから何があったかを説明するより、写真を見せるほうが早く済みます。
そもそも仏壇を誰が継ぐかは、遺産分割の対象外です(仏壇とお墓は遺産分割の対象外|誰が継ぐかは民法897条で決まる。相続放棄をしても継げます)。処分を決める前に、継ぐ人を1人決めてください。
「無料」の中身を確かめる
「仏壇 処分 無料」で調べると多くのページが出てきますが、無条件で無料になるものはほとんどありません。
よくある条件は次の2つです。
- 買い替えが条件。新しい仏壇を買う人の引き取りを無料にする形です。買わない場合は有料になります
- 他の作業とセットが条件。遺品整理をまとめて頼む中に含める形です。仏壇だけを頼むと料金が発生します
どちらも仕組みとしておかしなものではありません。確かめるべきなのは「何をすれば無料になるのか」です。電話の段階で聞けば分かります。
注意:「無料で回収します」と言って巡回するトラックには頼まないでください。家庭から出るものは一般廃棄物にあたり、市町村の許可を受けた事業者でなければ運搬も処分もできません。国民生活センターには、無料をうたって集めたあとに高額を請求される相談が繰り返し寄せられています。
費用がどこで決まるか
仏壇の処分費に公的な統計はありません。金額は次の3つの合計で決まります。
- 法要のお布施。菩提寺に直接聞く
- 運搬。自分で運ぶなら0円、頼めば人件費と車両費が乗る
- 処分。自治体の粗大ごみなら手数料のみ。業者ならお焚き上げの料金が加わることがある
このうち最も動くのは運搬です。仏壇は重く、階段や廊下を通すのに人手が要ります。自分で運べるなら、費用は自治体の手数料だけで済みます。
金額の内訳をどう見るかは、遺品整理の費用はいくら?相場より先に見るべき3つの内訳の考え方がそのまま使えます。
実家の仏壇のこと、調べたので共有します。
- 仏壇は、自治体の粗大ごみに出せます。大阪市は1,000円、神戸市は大型ごみの扱いです
- ただ、その前にご本尊・位牌・過去帳・写真を取り出しておきます
- 引き出しに通帳や印鑑が入っていることもあるので、中を確かめたいです
- 法要の呼び方とお布施は、菩提寺に直接聞くのがいいそうです
- 仏壇を出す前に、一度みんなで中を見ませんか
よくある質問
法律上は問題ありません。仏壇は自治体が粗大ごみとして受け付けています。ただし、あとで気持ちが残ることを避けたい場合は、法要を行ってから処分する方法があります。家族の中で意見が分かれることが多いところなので、先に話しておくと揉めません。
できます。大型のまま運べない場合は、分解して部材にすると出しやすくなります。神戸市のように、5キログラム以内で指定袋に入れば通常のごみとして扱う自治体もあります。ただし金属部品やガラスは分けて出す必要があります。自治体の分別ルールに従ってください。
一緒にしないでください。位牌は仏壇とは扱いが違います。手元に残す、菩提寺に預ける、別に法要を行うなど、選び方が分かれます。仏壇を動かす前に、位牌だけ取り出して別に保管してください。
親が判断できる状態なら、本人に確認してください。仏壇は本人にとって意味のある家具です。無断で処分すると、あとで関係がこじれることがあります。判断が難しい場合でも、きょうだいや親族には先に伝えておいてください。
現地の自治体の窓口に、粗大ごみとして出せるかを確認するのが先です。運び出しが難しい場合は、実家のある地域の仏壇店か、一般廃棄物処理業の許可を持つ業者に相談してください。許可は市町村ごとに出るものなので、実家のある市町村での許可があるかを確かめてください。
出典
- 大阪市「粗大ごみ処理手数料一覧表」
- 神戸市「『仏壇』は何ごみで捨てればいいですか」(よくある質問)
- 浄土真宗本願寺派「よくあるご質問」(お仏壇を迎えて行うことは?)
- 名古屋市「粗大ごみの分け方・出し方」(申し込みから収集までの日数)
- 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表)

