実家の片付けは市でここまで違う|粗大ごみの線引きは30cmから90cmまで、1トンの手数料は5.7倍
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実家の片付けにいくらかかるかを調べると、業者の相場ばかりが出てきます。けれど実際の金額を先に決めるのは、親が住んでいた市のルールです。同じ家具でも、粗大ごみになる市とならない市があります。当サイトは12の都市を1本ずつ市の案内で調べました。並べてみると、同じ「粗大ごみ」の線引きが30cmから90cmまで3倍違い、1トンを自分で運ぶ手数料は5.7倍の開きがありました。
- 粗大ごみの線引きは市で3通りある。30cm超、45リットル袋に入らない、90cm以上。実家の中型品が有料になるかどうかが変わります
- 1トンを自分で運ぶ手数料は、神戸市8,000円から杉並区4万6,000円まで。同じ量でも5.7倍違います
- 1回に出せる粗大ごみは4〜10点。家1軒分は、どの市でも必ず複数回に分かれます

片付けを始める前に、借金の有無と相続放棄をするかを確かめてください。遺品を処分すると、放棄できなくなることがあります(親が亡くなったあとの手続きと期限の一覧|7日・14日の届出から、3か月・10か月・3年まで。取り返しがつかないのは3か月)。

粗大ごみの線引きは、3通りある
まず確かめるのは、実家の市が何を粗大ごみと呼んでいるかです。調べた12都市は、3つのやり方に分かれました。
長さで決める市。
- 大阪市… 最大の辺または径が30センチを超えるもの(棒状は1メートル超)
- 仙台市… 一番長い部分がおおむね30センチを超え、重さ100kg以下の耐久消費財
- 広島市… 最長の辺か最大径が30センチ以上
- 東京都杉並区… 最大辺がおおむね30センチを超えるもの
- さいたま市… 一辺の長さまたは直径が90センチ以上2メートル未満
袋で決める市。
- 千葉市… 指定のごみ袋に入れて口が結べないもの、または結べるがはみ出すもの
- 神戸市… 45リットルの指定袋に入らない大きさ、または入っても単品で5kg超
- 札幌市… 指定ごみ袋に入らないもの(100kg、2m、2立方mのいずれかを超えるものは対象外)
- 福岡市… 指定袋に入らない大きさ・重さのもの
- 名古屋市… 2026年10月1日から「容量45リットルの指定袋に入らないもの」(それまでは30センチ角超)
開きがいちばん大きいのは、30センチと90センチです。実家の片付けで点数が多いのは、電子レンジ、小さな棚、扇風機、衣装ケースといった中型品です。さいたま市ならそのほとんどがふだんの収集所に出せますが、仙台市や広島市では1点ずつ申し込んで手数料を払うことになります。
名古屋市は2026年10月1日に、この線引きそのものを変えます(名古屋で実家を片付けるなら|2026年10月1日から粗大ごみの線引きと料金が変わる。許可業者は「どこから頼めるか」で選ぶ)。実家の市のページを見るときは、更新日を先に見てください。
1回に出せるのは4〜10点
次は、1回の申込みで何点まで出せるかです。
- さいたま市… 4個
- 神戸市… 5点
- 横浜市… 9個
- 札幌市・広島市・千葉市… 10点(広島市は同じ品目5点以内・合計3,000円以内という条件も付きます)
収集日までの待ち時間も違います。京都市は申込みからおよそ1週間、横浜市と千葉市は1〜2週間、さいたま市は混雑時で1か月程度、仙台市はおおむね2週間に1回の指定日です。
家1軒分の家具を粗大ごみの収集だけで出そうとすると、どの市でも複数回に分かれます。帰省できる日が限られているなら、収集を待つ回数がそのまま滞在日数に効いてきます。ここが、自分で運ぶか業者に頼むかを考え始める分かれ目です。

1点あたりの手数料は、上限が1,000円で収まる市(大阪・広島・福岡)と、3,000円まで上がる市(神戸・仙台)に分かれます。たんすやベッドが多い家では、この上限の差が効いてきます。
大きさで区分が変わる品目は、同じ物でも市による開きが大きくなります。仏壇を22市区で比べると、同じ台付きの仏壇で500円から2,000円まで4倍違いました(仏壇を粗大ごみに出すといくら?|22市区を調べたら同じ仏壇で500円から2,000円。金額の決め方が5通りある)。
1トンを自分で運ぶと、8,000円から4万6,000円
量が多いとき、自分で施設へ運ぶ道があります。手数料は重さで決まる市が多いので、1トン運んだ場合で揃えて比べました。

いちばん安い神戸市の8,000円と、いちばん高い杉並区の4万6,000円で、5.7倍の差があります。杉並区だけは区が集めに来る臨時ごみなので、運ぶ手間がない分を含んだ金額です。
この順位は固定ではありません。さいたま市は3年かけて段階的に値上げしていて、2027年1月から2万6,400円になります(さいたまで実家を片付けるなら|粗大ごみは90cm以上で1品550円。持込みは2027年1月にまた値上げ)。名古屋市も2026年10月1日から10kgごと200円が270円に上がります。
自分で運んでも安くならない市もあります。千葉市は、粗大ごみを環境事業所へ自分で運んでも、収集を頼んだときと同じ390〜1,560円です。逆に広島市は、大型ごみを安佐南工場へ自分で運べば処分手数料がかかりません(広島で実家を片付けるなら|大型ごみは自分で運べば手数料なし。収集は1回10点・合計3,000円以内)。「自分で運べば安い」は、市によって当たり外れがあります。
離れて住む子が運べるか、書き方が3つに分かれた
ここが、12都市を調べていて最も差が出たところです。親の家のごみを、離れて住む子が施設へ運んでいいのか。市の案内の書き方はこう分かれました。
持ち物まで書いている市。
- 千葉市… 本人が同行できない場合は、運ぶ人の身分証明書と、排出者本人の身分がわかるもの(身分証明書の写しや公共料金の領収書等)を提示すれば持ち込める
家族なら認めると書いている市。
- 仙台市… 「本人(または家族)以外のごみは持ち込みできません」
- 神戸市… 代理の持込みは家族・親族に限る。続柄が分かる書類が要る
本人に限ると書いている市。
- さいたま市… 「ご本人が持ち込む場合に限ります」(ただし遺品整理のページでは、遺族が自分で運ぶ方法を別に案内)
- 京都市… 持ち込めるのは「本人のごみ」
- 札幌市… 「他人のごみは搬入できません」
- 広島市… 「他人が排出したごみは搬入できません(特別な事情がある場合は、事前にご相談ください)」
- 福岡市… 「市外で発生したごみ、他人のごみは搬入できません」
横浜市・名古屋市・大阪市については、当サイトが調べた範囲では、この点の記載を確認できませんでした。
12都市のうち、持ち物まで書いていたのは千葉市だけでした。(千葉で実家を片付けるなら|市外に住む子でも、親のごみを運べる。持ち物は身分証明書2つ)。ほかの市では、車に積む前に施設へ電話で確かめるところから始まります。この一本の電話を省くと、積んで走って断られることになります。
業者に頼むときに見る数字も、市で違う
一時的に多量に出るごみは、どの市でも収集所に出せません。許可業者に頼むか、自分で運ぶかになります。その「許可業者」の見え方が、市によってずいぶん違いました。
- 大阪市… 許可業者の名簿に271社
- 横浜市… 新規を受け付ける許可業者は82社
- さいたま市… 許可業者は110社。うち遺品整理に対応できる49社の一覧を市が別に公開(30社は分別まで行う)
- 仙台市… 区域ごとに担当が決まっていて、市全域を4社が分担
- 札幌市… 400リットルを超える多量ごみの運搬を頼めるのは、札幌市環境事業公社だけ
- 福岡市… 遺品の仕分けからごみの運搬まで一体で行える「限定許可」を持つのは2社
- 千葉市… 許可業者に頼むときの料金の上限を市が公表(10kgまでごとに470円・税別)
見積もりを読むときの物差しになるのは、千葉市のような上限額です。1トンあたり4万7,000円が上限だとわかっていれば、それを大きく超える見積もりの理由を聞けます。
業者の選び方は遺品整理の業者はどう選ぶ?ランキングより先に見る許可と書面に、費用の考え方は遺品整理の費用はいくら?相場より先に見るべき3つの内訳に書きました。
都市別の記事
それぞれの市の詳しい出し方は、次の記事に書きました。
- 東京で実家を片付けるなら|家庭のごみを集めるのは「区」。23区の臨時ごみ、ごみ屋敷の条例と支援、業者に頼む前に聞くこと
- 横浜で実家を片付けるなら|燃やすごみは自分で運べば1キロ13円。粗大ごみは1回9個まで、業者は許可業者82社から
- 大阪で実家を片付けるなら|自分で運べば1トン9,000円。粗大ごみ・自己搬入・許可業者271社の使い分け
- 札幌で実家を片付けるなら|400リットルを超える家庭ごみの運搬を頼めるのは環境事業公社だけ。大型ごみは1回10個まで
- 京都で実家を片付けるなら|クリーンセンターへの持込みは100kgまで1,500円。大型ごみは400〜2,400円
- 神戸で実家を片付けるなら|遺品整理での持込みは「亡くなってから1年以内」。燃えるごみは10kg80円
- 福岡で実家を片付けるなら|遺品整理のごみを一体で運べる「限定許可」は2社だけ。自分で運べば10kg140円
- 仙台で実家を片付けるなら|自分で運べるのは「本人または家族」のごみ。1トン1万5,000円、臨時ごみは収集1回1,000円
片付けの順番
- 借金の有無と、相続放棄をするかを決める
- 通帳・権利証・郵便物・遺言書らしい封筒を先に抜く
- 実家の市のページで、粗大ごみの線引きと1回の上限を確かめる
- 上限に収まるなら収集を申し込む。収まらないなら、自分で運ぶか業者かを決める
- 自分で運ぶなら、離れて住む子が運べるかを施設へ電話で確かめてから車に積む
実家の片付けのこと、市ごとの違いを調べたので共有します。
- 同じ家具でも、粗大ごみになるかどうかは市で違います。30cmを超えたら粗大ごみの市もあれば、90cm以上の市もあります
- 1回に出せるのは4〜10点なので、家1軒分だと何回かに分かれます
- 自分で運ぶと1トンで8,000円から4万6,000円まで、市によって5.7倍の差がありました
- 私たちが親の家のごみを運んでいいかは、市によって書き方が違います。先に施設へ電話したほうがよさそうです
- まず実家の市のページを一緒に見ませんか
よくある質問
1トンを自分で運ぶ場合で、8,000円から4万6,000円まで5.7倍の開きがありました。神戸市が最も安く(燃えるごみ10kg80円)、杉並区が最も高い(1キロ46円、区が集める臨時ごみ)結果です。粗大ごみを1点ずつ出す場合も、上限が1,000円の市(大阪・広島・福岡)と3,000円の市(神戸・仙台)に分かれます。
共通ではありません。調べた12都市は3通りに分かれました。30センチを超えると粗大ごみになる市(大阪・仙台・広島・杉並区)、指定袋に入るかどうかで決める市(千葉・神戸・札幌・福岡、名古屋は2026年10月から)、90センチ以上とする市(さいたま)です。実家の市のページで確かめてください。
市によって書き方が違います。千葉市は、運ぶ人の身分証明書と親の身分がわかるものを提示すれば持ち込めると書いています。仙台市は「本人(または家族)」、神戸市は家族・親族(続柄が分かる書類が必要)です。京都市・札幌市・広島市・福岡市は本人のごみに限るとしているので、運ぶ前に施設へ電話で確かめてください。
なりません。千葉市は、粗大ごみを自分で環境事業所へ運んでも収集を頼んだときと同額です。逆に広島市は、大型ごみを自分で施設へ運べば処分手数料がかかりません。安くなるかどうかは、その市が重さで課金しているか、品目で課金しているかで変わります。
出典
- 東京23区(杉並区・世田谷区・大田区)、横浜市、大阪市、名古屋市、福岡市、札幌市、京都市、神戸市、広島市、仙台市、さいたま市、千葉市の粗大ごみ・大型ごみ、ごみの自己搬入、一時多量ごみ、許可業者に関する各案内
- 各市の数字と更新日は、上の都市別の記事にそれぞれ書きました

