空き家バンクで実家は売れるか|空き家を解消した世帯で登録していたのは3.3%。全国版の成約は累計約2万7,000件
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不動産会社に相談しても、「この家は扱いにくい」と言われた。そんなとき候補に上がるのが、市区町村の空き家バンクです。ただ、国の調査では、空き家を解消した世帯のうち空き家バンクに登録していたのは3.3%でした。空き家バンクは便利な仕組みですが、実家を手放す主な道ではありません。この記事は、国土交通省の資料から、空き家バンクの実績と使いどころを整理します。
- 国土交通省の全国版空き家・空き地バンクには1,151自治体が参加し、744自治体が物件を載せています。成約は累計約2万7,000件です(2026年8月末)
- 空き家を解消した世帯がしたことは、「不動産会社に探してもらった」が29.2%、「空き家バンクに登録した」が3.3%でした
- 登録は必ず市区町村を通します。不動産会社との媒介契約が要るか、誰が買えるかは自治体ごとに違い、交渉のトラブルに国は関与しません

仲介と買取の違いは相続した実家の売り方|売りに出した空き家の7割は1年後も空き家のまま。仲介と買取を手取りで比べるに、貸す場合は実家を貸すなら定期借家で|借り手を募集した空き家のうち、1年あまりで貸せたのは約5軒に1軒に書きました。
空き家バンクとは、市区町村が空き家の情報を載せる仕組み
空き家バンクは、市区町村が、売りたい・貸したい空き家の情報を集めて載せる仕組みです。国土交通省のQ&Aによると、自治体に空き家バンクを開く義務はなく、各自治体が空き家対策の一つとして自分で開いているものです。
自治体ごとにばらばらだと探しにくいため、国土交通省は「全国版空き家・空き地バンク」を作りました。公募で選ばれたLIFULLとアットホームの2社が、2018年4月から本格的に運営しています。
国土交通省の資料(2026年8月末時点)では、次のとおりです。
- 参加している自治体… 1,151
- 物件を載せている自治体… 744
- 載っている物件… 1万9,804戸(2社の合計で、同じ物件の重複を含む)
- 成約した物件… 約2万7,000件(自治体へのアンケート調査などによる、累計)
本格運用から8年あまりで、成約は累計約2万7,000件です。
空き家を解消した世帯で、登録していたのは3.3%
では、実際に空き家を手放したり使い始めたりした人は、何をしたのか。
国土交通省の「令和6年空き家所有者実態調査」は、空き家でなくなった住宅について、空き家を解消するために実施した内容を聞いています(複数回答)。
- 特に何もしていない… 38.7%
- 不動産事業者に借り手や買い手を探してもらった… 29.2%
- リフォームした… 19.3%
- 専門家に相談した… 4.7%
- 空き家バンクに登録した… 3.3%
- 行政に相談した… 2.8%
空き家バンクに登録した3.3%は、不動産会社に探してもらった29.2%の約9分の1です。空き家を手放す道の中心は、いまも不動産会社です。空き家バンクは、不動産会社が扱いにくい家や、移住を考える人に向けた、もう一つの窓口だと考えるのが現実的です。
登録は、必ず市区町村を通す
国土交通省のQ&Aによると、全国版に直接登録することはできません。必ず自治体を通して登録します。

自治体のバンクに載っても、全国版に載るとは限りません。全国版に載せるには、売りたい人・貸したい人の同意が必要で、自治体の判断で載らないこともあります。
遠方に住む子が実家を載せたいなら、実家のある市区町村の窓口に問い合わせます。自分の住む町のバンクには載せられません。
ルールは自治体ごとに違う
国土交通省のQ&Aは、空き家バンクのルールが自治体によって違うことを繰り返し書いています。
- 物件の登録に、不動産会社との媒介(仲介)契約を必須としている自治体がある
- 移住の促進を目的にして、県外や市町村外からの利用希望者に限る自治体がある
- 交渉や手続きは当事者どうしの責任で進め、トラブルが起きても国や運営事業者は一切関与しない
媒介契約が要らない自治体では、買う人と直接交渉することになります。契約書の作成や、あとで見つかった不具合の扱いまで自分たちで決めることになるので、不慣れなら不動産会社を入れるほうが安全です。
空き家バンクへの登録が、補助金の条件になっていることもあります。広島県の一覧では、家財処分の補助がある10市町のうち9つが、空き家バンクへの登録や媒介契約などを条件にしていました(家財処分の費用に補助金は出る?|片付けたあとでは受け取れない。空き家の補助(広島県内10市町・東京都)と生活保護の家財処分料)。

載せるまでに、名義と中身を整える
空き家バンクに載せても、名義が亡くなった親のままでは、売る契約は進みません。相続登記は2024年4月から義務になっています(相続登記の期限は2027年3月31日|過料が来るのは「一部だけ登記した」とき。親の不動産を洗い出す証明書が始まった)。
家の中に家財が残ったままだと、見に来た人が暮らしを思い描きにくくなります。片付けの前に、補助の条件を市区町村で確かめてください。先に片付けると補助が受けられないことがあります。
相続した実家を売るなら、空き家の3,000万円控除の期限(相続から3年を経過する日の属する年の12月31日)も意識してください。バンクで買い手を待つあいだに期限が近づくことがあります(相続した実家を売ると税金はいくら?3,000万円控除の条件と期限)。
実家を空き家バンクに載せる話、調べたので共有します。
- 空き家バンクは、市区町村が空き家の情報を載せる仕組みです。国の全国版では、これまでに約2万7,000件が成約しています
- ただ、国の調査では、空き家を手放せた人で空き家バンクに登録していたのは3.3%でした。不動産会社に頼んだ人は29.2%です
- 登録は実家のある市区町村に申し込みます。不動産会社との契約が要るか、誰が買えるかは市町村ごとに違います
- 交渉でもめても、国は間に入ってくれないそうです
- まず不動産会社での値段を聞いて、それから空き家バンクも考えませんか
よくある質問
売れるとは限りません。国土交通省の全国版空き家・空き地バンクでは、成約は累計約2万7,000件です(2026年8月末)。ただ国の令和6年空き家所有者実態調査では、空き家を解消した世帯のうち空き家バンクに登録していたのは3.3%で、不動産会社に探してもらった29.2%より少数でした。
実家のある市区町村です。全国版空き家・空き地バンクに直接登録することはできず、必ず自治体を通します。自治体のバンクに載った物件が全国版にも載るのは、所有者が同意した場合です。空き家バンクを開いていない自治体もあるので、まず窓口に問い合わせてください。
自治体によります。国土交通省のQ&Aによると、物件の登録に不動産会社との媒介契約を必須としている自治体があります。媒介なしで当事者どうしが交渉する場合、トラブルが起きても国や運営事業者は一切関与しません。契約書や引き渡し後の不具合の扱いに不慣れなら、不動産会社を入れるほうが安全です。
自治体によっては、買う人や借りる人に条件があります。国土交通省のQ&Aは、移住の促進を目的にして、県外や市町村外からの利用希望者に限る例を挙げています。実家を載せるときは、どんな人が買い手・借り手になりうるかも窓口で確かめてください。
登録が補助の条件になっている自治体があります。広島県の一覧では、家財処分の補助がある10市町のうち9つが、空き家バンクへの登録や不動産会社との媒介契約などを条件にしていました。片付けたあとでは受け取れない補助もあるので、片付けの前に確かめてください。
出典
- 国土交通省「『全国版空き家・空き地バンク』について」(令和8年8月末時点)、「参加自治体数・物件掲載件数推移」、「全国版空き家・空き地バンク Q&A(消費者向け)」
- 国土交通省「令和6年空き家所有者実態調査」調査結果(令和7年8月)
- 広島県「広島県内市町における空き家関係補助事業一覧」(2026年4月1日掲載)

