位牌の処分はどうする?白木と本位牌で扱いが違います
仏壇を片づけるとき、位牌だけが手に残ります。小さいものなので、どう扱ってよいのか迷います。
- 位牌には白木位牌と本位牌があり、扱いが違います。白木は葬儀のときの仮のものです
- 宗派によっては位牌を用いません。浄土真宗は過去帳や法名軸に法名を記すとされています
- 自治体の分別では、横浜市は位牌を燃やすごみとしています。仏具は素材ごとに分かれます

実家じまい全体の流れと、先に確かめる期限は実家じまいは何から始める?5つの段階と、かかるお金の全体像にまとめています。
白木位牌と本位牌は別のもの
まず、手元にあるのがどちらかを見分けてください。
白木位牌は、葬儀のときに使う白い木の位牌です。仮のものとして用意され、四十九日の法要で漆塗りや唐木の本位牌に替え、白木のほうは寺に納めるのが一般的な流れとされています。
そのため、白木位牌が家に残っている場合は、処分を考える前に寺へ確認するのが先です。四十九日を済ませていない、または本位牌に替えていない可能性があります。
一方、本位牌は長く家に置かれてきたものです。仏壇を処分するときに、この本位牌をどうするかが問題になります。
位牌は小さいので、仏壇と違って手元に残せます。これが仏壇との最大の違いです。処分だけが選択肢ではありません。

宗派によっては位牌を用いない
探しても位牌が見つからない場合、そもそも使っていない宗派かもしれません。
浄土真宗では位牌を用いず、過去帳や法名軸に故人の法名、俗名、命日などを記すとされています。位牌が無いのが普通なので、探しても出てきません。
呼び名も違います。浄土真宗では「戒名」とは言わず「法名」と呼びます。戒名は自力の修行をめざして受戒した人に授けられる名前であり、自力修行をしない浄土真宗にはそぐわない、という考え方によるものです。
この記事は宗教上の正しさを判断するものではありません。呼び名も作法も宗派と寺によって違います。仏壇の中に位牌が無く、代わりに帳面や掛け軸がある場合は、菩提寺に「これは何にあたるものか」を聞いてください。
過去帳の扱いは仏壇の処分はどうする?自治体に出せます。順番を間違えないためににも書いています。書き写せない情報が入っていることがあるので、処分の前に確認が要ります。

自治体の分別では、位牌は燃やすごみ
法律上、位牌をごみとして出すことはできます。
横浜市のごみ分別辞典「MIctionary」は、位牌を「燃やすごみ」としています。仏具は素材ごとに分かれます。
- 位牌… 燃やすごみ
- 仏具(木製)… 燃やすごみ。50センチ以上は粗大ごみ
- 仏具(金属製)… 小さな金属類。30センチ以上は粗大ごみ
- 仏具(陶器・ガラス製)… 燃えないごみ。50センチ以上は粗大ごみ
- 仏壇… 粗大ごみ。50センチ未満は燃やすごみ
- 神棚… 粗大ごみ。50センチ未満は燃やすごみ
分別は自治体ごとに違います。自分の市区町村の分別辞典で「位牌」を引くか、窓口に聞いてください。
政令市20市と東京都の2区の案内を調べたところ、位牌の分別をはっきり書いていたのは横浜市(燃やすごみ)と静岡市(可燃ごみ)くらいでした。仏壇を粗大ごみに出すときの手数料は仏壇を粗大ごみに出すといくら?|22市区を調べたら同じ仏壇で500円から2,000円。金額の決め方が5通りあるにまとめています。
注意:本位牌には金具や金箔が使われていることがあります。素材が混ざっているものは、自治体のルールに従って分けて出す必要があります。
つまり、費用の面ではごみとして出すのが最も安く済みます。それでも多くの人が迷うのは、金額の問題ではないからです。
処分の方法は4つ
どれを選ぶかは、菩提寺があるかどうかで決まります。
1 菩提寺に納める
法要を頼み、そのまま納めてもらう方法です。白木位牌はこの形が一般的とされています。本位牌も受けてもらえるか、法要の相談と一緒に聞いてください。
2 仏壇店や専門業者に頼む
菩提寺が無い場合の選択肢です。お焚き上げまで受けているところがあります。寺を紹介してもらえることもあります。
3 遺品整理の業者にまとめて頼む
仏壇や他の家財と一緒に出すときに向いています。位牌だけを頼むと割高になります。業者の見分け方は遺品整理の業者はどう選ぶ?ランキングより先に見る許可と書面にまとめてあります。
4 自分でごみに出す
分別に従えば可能です。横浜市では燃やすごみにあたります。気持ちの整理がついているなら、この方法で問題ありません。
手元に残すという選択
位牌は仏壇と違い、置き場所を選びません。高さ20センチ前後のものが多く、引き出しにも収まります。
そのため、次のような残し方ができます。
- 誰か一人が引き取る。きょうだいのうち、置ける人が持つ
- 小さい位牌に作り替える。仏壇店で扱っています
- 過去帳に記して、位牌は納める。記録だけ残す形です
仏壇を処分しても、位牌だけ残すことはできます。「仏壇を手放す=位牌も手放す」ではありません。ここを混同したまま業者に渡してしまうと、戻せなくなります。
注意:残すかどうかは、動かす前に家族で決めてください。あとから「相談がなかった」と言われやすいところです。特に遠方に住むきょうだいには、先に伝えておいてください。
位牌も「祭具」として、遺産分割とは別のルールで継ぐ人が決まります(仏壇とお墓は遺産分割の対象外|誰が継ぐかは民法897条で決まる。相続放棄をしても継げます)。
何体もある位牌をまとめる
先祖の位牌がまとまって出てくることがあります。古い家では10体を超えることも珍しくありません。
置き場所の問題で全部は残せない場合、まとめる方法があります。
- 繰り出し位牌にする。中に札板を何枚も納められる形の位牌です。仏壇店が扱っています
- 過去帳に記して、位牌は納める。記録を過去帳へ移し、位牌そのものは寺に納める形です
- 一体の位牌にまとめる。「先祖代々之霊位」などと記したものに集約します
どれも、記録を残したうえで数を減らす方法です。位牌に書かれた戒名や法名、没年は、他に控えが無いことがあります。まとめる前に、必ず書き写すか写真に撮ってください。
作り替えを頼む場合は仏壇店に相談します。元の位牌をどうするかも、そのとき一緒に決められます。
親が施設に入った場合
親が生きているうちに家を片づける場合は、扱いが変わります。施設の入所証明や費用の領収書は、あとで親の未支給年金を請求するときの証明になることがあるので、捨てずに取っておいてください(親の未支給年金は、別居の子でも受け取れる|決め手は「生計同一」の申立書。仕送りの通帳や施設の領収書が証明になる)。
位牌は本人にとって意味のあるものです。判断できる状態なら、本人に確認してください。無断で処分すると、あとで関係がこじれます。
施設へ持って行けるかは、施設によります。小さい位牌なら居室に置けることもあります。入居先に「仏具を置けますか」と聞いてから決めてください。
持って行けない場合の選択肢は3つです。
- きょうだいの誰かが預かる
- 小さい位牌に作り替えて、施設へ持って行く
- 寺に預かってもらう。受けている寺があります
急いで決める必要はありません。位牌は場所を取らないので、家を片づけたあとでも判断できます。仏壇や家財と違い、保管しておく費用がかかりません。
「無料」の中身を確かめる
「位牌 処分 無料」で調べると多くのページが出てきますが、条件があります。
よくあるのは次の2つです。
- 仏壇の引き取りとセット。仏壇を頼めば位牌は無料、という形です
- 買い替えが条件。新しい仏壇や位牌を買う人に対する引き取りです
位牌だけを単独で無料引き取りする仕組みは、ほとんどありません。運搬と供養の手間がかかるためです。「無料」と書かれていたら、何をすれば無料になるのかを電話で聞いてください。
注意:「無料で回収します」と言って巡回するトラックには頼まないでください。家庭から出るものは一般廃棄物にあたり、市町村の許可を受けた事業者でなければ運搬も処分もできません。国民生活センターには、無料をうたって集めたあとに高額を請求される相談が繰り返し寄せられています。
費用がどこで決まるか
位牌の処分費に公的な統計はありません。金額は次の2つで決まります。
- 法要のお布施。菩提寺に直接聞く。金額に決まりはありません
- 引き取りや郵送の費用。寺に持参できるなら0円、業者に頼めば運搬費が乗る
位牌は小さいので、運搬の費用は仏壇ほどかかりません。自分で寺へ持って行けるなら、かかるのはお布施だけです。
お布施の額を聞くのは失礼ではありません。「皆さんはどのくらい包まれていますか」と尋ねて構いません。先に確かめておけば、当日に迷わずに済みます。
実家の位牌のこと、調べたので共有します。
- 位牌には、葬儀のときの仮の白木の位牌と、本位牌があって、扱いが違います
- 白木の位牌は、四十九日でお寺に納めるのが一般的です
- 浄土真宗では位牌を使わず、過去帳や法名軸を使います
- 横浜市の分別では、位牌は燃やすごみです。ただ小さいので、手元に残すこともできます
- 動かす前に、どうしたいか聞かせてもらえますか
よくある質問
法律上は問題ありません。横浜市の分別辞典は位牌を燃やすごみとしています。ただし、あとで気持ちが残ることを避けたい場合は、法要を行ってから納める方法があります。家族で意見が分かれやすいので、先に話しておいてください。
四十九日を済ませていないか、本位牌に替えていない可能性があります。白木位牌は葬儀のときの仮のもので、四十九日の法要で寺に納めるのが一般的とされています。まず菩提寺に確認してください。
受け付けている寺や業者があります。ただし、破損や紛失の心配があるため、送る前に方法と梱包の指定を確認してください。近くに持参できるなら、そのほうが確実です。
残せます。位牌は高さ20センチ前後のものが多く、仏壇が無くても置けます。小さい位牌に作り替えることもできます。仏壇を手放すことと、位牌を手放すことは別の判断です。
先祖の位牌がまとまって出てくることがあります。まとめて過去帳に記し、位牌は納めるという方法があります。寺によっては複数をまとめた「繰り出し位牌」への作り替えを扱っています。菩提寺か仏壇店に相談してください。
出典
- 横浜市「ごみ分別辞典 MIctionary」(位牌、仏具、仏壇、神棚の分別)
- 浄土真宗本願寺派「よくあるご質問」(法名について、お仏壇を迎えて行うこと)
- 国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」(2022年11月2日公表)

