お墓

一心寺と四天王寺に納骨するには|一心寺は墓じまいの遺骨を受けられない。大阪で「納骨だけ」を頼む前に確かめること

杉野 一樹

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墓じまいをしたあと、遺骨を大阪の寺院に納めたい。そう考えて「永代供養 一心寺」と検索する人は多いのですが、一心寺は2021年1月1日から、墓じまいで取り出した遺骨(改葬)の納骨を受けていません。改葬の手続きに必要な受入証明も発行されません。一方、四天王寺の納骨総祭塔(合同墓)は、改葬許可証があれば納骨できます。この記事は、両寺の公式の案内から、条件と必要書類を整理します。

この記事で分かること
  • 一心寺は、改葬による納骨を受けていません。2021年1月1日からの受け入れ制限で、墓じまい・墓出し、他の納骨施設からの移転は対象外。改葬受入証明も発行されません
  • 一心寺に納められるのは、小骨壺(直径9cm以下、蓋を含め高さ11cm以下)1霊につき1壺だけです。胴骨(全骨)は納められません。納骨冥加料は2万円・3万円・5万円で、永代供養料は別です
  • 四天王寺の納骨総祭塔(合同墓)は、改葬許可証があれば納骨できます。骨壺の大きさに制限はなく、予約も要りません。受付は8時30分〜15時(六時堂)です
実家じまいの5段階。お墓、仏壇・位牌、片付け、家をどうするか、解体。この記事はお墓
この記事は①お墓の中の、大阪の寺院に納める話です。

墓じまい全体の手続きは墓じまいの手続きはどこへ出す?改葬許可の流れと必要書類に、大阪市の公営の納め先は大阪で親のお墓を探すなら|市設霊園の合葬式墓地は1体5万円。倍率・使用料・申込資格を数字でにまとめています。

一心寺:改葬の遺骨は受けていない

一心寺(大阪市天王寺区逢阪)は、納められた遺骨で仏像(お骨佛)を造ることで知られています。明治20年に1体目が造られ、10年ごとに開眼。戦前の6体は戦災で失われ、いま納骨堂に安置されているのは8体です。次のお骨佛は令和9(2027)年に開眼予定で、平成29年の第14期は、平成19年から平成28年までの約22万体で造られました。

その一心寺が、2021年1月1日から納骨の受け入れを制限しています。理由は寺が公表しています。お骨佛はもともと分骨で造る慣習でしたが、胴骨(全骨)も受け入れるようになり、近年は胴骨と改葬納骨が増えて遺骨の総量が急増し、造立の限界を超えそうになっているというものです。

制限の中身は2つです。

  1. 小骨壺のみ… 直径9cm以下、蓋を含めて高さ11cm以下の小骨壺で、1霊につき1壺。胴骨・全骨は納められません
  2. 改葬納骨は受けられない… 墓じまい・墓出し、各種納骨施設からの移転などによる納骨はできません。したがって改葬受入証明も発行されません

ここが実務上の分かれ目です。改葬の許可を市区町村に申請するとき、自治体によっては移す先が発行する受入証明を求められます。一心寺はそれを出さないので、「実家の墓を片付けて、その遺骨を一心寺へ」という道は選べません。

それ以外の納骨の条件も決まっています。

  • 納骨冥加料… 2万円・3万円・5万円。永代供養料は別途必要です
  • 必要書類… 火葬許可証、火葬済証明書、分骨証明書のいずれかの原本。コピーでは納骨できません
  • 郵送・宅急便による納骨は受け付けていません
  • 納めた遺骨は返してもらえません(納骨後すぐにお骨佛造立の準備に入るため)
  • 受付… 年中無休の9時〜16時。予約はなく、当日、山門を入って右の受付堂(念佛堂)で申し込みます。納骨・回向・焼香を含めて所要はおおむね1時間です

納骨の翌年4月26・27日に「年次納骨供養大法要」の案内が届きます。その後は、お骨佛の開眼(令和9年初夏)まで案内はありません。

大阪で納骨だけを受ける先の費用。一心寺の納骨冥加料2万〜5万円、大阪市瓜破霊園の合葬式墓地5万円、四天王寺の永代祠堂は月牌10万円・日牌20万円、南鐘堂の永代位牌奉安30万円
公表されている額を並べました。

四天王寺:改葬許可証があれば、納骨総祭塔に納められる

四天王寺(大阪市天王寺区四天王寺)の納骨総祭塔は、合同墓です。宗旨・宗派を問わず供養を受け付けている寺で、納骨の受付に予約は要りません。

申し込みのときに必要なものを、寺が公表しています。

  • 火葬許可証(改葬の場合は改葬許可証)の原本。コピーは不可
  • 命日、戒名(法名。俗名でも可)、故人の行年(数え年)
  • 申込者の印鑑(認め印)と、住所の記載がある本人確認書類

遺骨を持参する人は、原則として火葬許可証に記載されている人です。親族が代わりに持参する場合は委任状が必要で、親族以外が持参する場合は事前の連絡が求められています。

改葬で納める場合の流れも案内されています。改葬許可証は、いま遺骨を預けている墓地や寺院の所在地の役所で申請します。役所によっては、埋葬証明書(現在の墓の管理者が発行)と受入承諾書(四天王寺が発行)を求められることがあります。受入承諾書は、原則として改葬許可の申請者本人が来山して手続きします(代理の場合は委任状などが必要)。

  • 骨壺の大きさに制限はありません
  • 遺骨は乾かして、骨壺に入れ、白布に包んで持参します
  • 受付時間… 8時30分〜15時(六時堂)
  • 一部だけを納めることはしていません。寺は、預かった遺骨は骨壺の大小にかかわらずすべて納骨総祭塔に埋葬し、一部だけ納めて残りを別の場所で処分することはしていないと案内しています

納骨総祭塔そのものの納骨料は、寺のサイトに金額の記載がありません。供養の申込みである永代祠堂(日牌20万円・月牌10万円)や、南鐘堂の永代位牌奉安(30万円)、北鐘堂の永代供養位牌(35万円)などは金額が公表されています。納骨とこれらは別の申込みなので、金額は電話(06-6771-0066)で確かめてください。

大阪で寺院に納骨したいときの3つの質問の判断チャート
改葬かどうか、で最初に分かれます。

どちらに納められるか、3つの質問

  1. その遺骨は、墓や納骨堂から移すもの(改葬)か。改葬なら一心寺は選べません。四天王寺か、公営の合葬を調べます
  2. 小骨壺(直径9cm・高さ11cm以下)に分けられるか。分けられない全骨なら、骨壺の大きさに制限のない四天王寺です
  3. 納めた遺骨が返ってこなくてよいか。どちらも返ってきません。迷うなら、個別の期間がある公営の納め先も比べてください

3つとも当てはまれば、一心寺に納骨できます(納骨冥加料2万・3万・5万円、永代供養料は別)。

「永代供養」と「納骨」は、別の申込み

両寺の案内を読むと、「納骨」と「永代供養」が分けて書かれていることが分かります。

  • 一心寺… 納骨冥加料とは別に、永代供養料が必要
  • 四天王寺… 納骨総祭塔への納骨と、永代祠堂(日牌・月牌)などの永代供養は別の申込み

つまり「永代供養 一心寺」で調べて出てくる金額が、納骨だけの費用とは限りません。申し込むときは、納骨の費用と、供養(回向)の費用を分けて聞いてください。永代供養という言葉が何を指すかは永代供養とは何か|「永代」はずっと個別に置くという意味ではないに書きました。

公営と比べる目安も持っておくと判断しやすくなります。大阪市の瓜破霊園の合葬式墓地は、直接合葬が1体5万円で管理料なし。市外の申込者は1.5倍です(大阪で親のお墓を探すなら)。

全国の優良石材店から一括見積りが無料で出来る【墓石ナビ】

実家の墓を片付けて遺骨を移す場合、納め先が決まっていないと改葬許可の申請は進みません。そして一心寺のように、改葬の受け入れそのものを止めている寺院もあります。先に納め先の条件を確かめ、そのうえで墓石の撤去の見積もりを取ってください。撤去工事は現地の条件で金額が変わるので、複数の石材店を比べるのが確実です。見積もりを取っても契約の義務はありません。

石材店の見積書で確かめる項目は墓じまいの業者はどう選ぶ?石材店・代行業者・行政書士の違いと、見積書で確かめる8つのことにまとめました。

この記事の結論は、大阪の寺院に納めるなら「改葬かどうか」を最初に確かめる、です。一心寺は2021年1月1日から、小骨壺1霊1壺に限り、改葬による納骨を受けていません(受入証明も発行されません)。四天王寺の納骨総祭塔は改葬許可証があれば納骨でき、骨壺の大きさの制限もありません。だから、墓じまいの移転先を探している人は、四天王寺か公営の合葬(大阪市は1体5万円)を先に比べてください。一心寺を考えるなら、分骨として小骨壺に分けられるか、納骨と永代供養それぞれの費用がいくらかを、申し込む前に確認してください。

進める順番

  1. その遺骨が改葬に当たるかを確かめる。墓や納骨堂から出すなら改葬です
  2. 納め先の条件を先に調べる。改葬を受けているか、受入証明を出してもらえるか
  3. 納骨の費用と、供養(回向)の費用を分けて聞く
  4. 改葬許可を申請する。役所によっては埋葬証明書と受入承諾書が要ります
  5. 墓石の撤去を石材店に依頼する。見積もりは複数取ります
  6. 遺骨を納める。四天王寺は乾かして骨壺に入れ白布で包み、予約なしで六時堂へ。一心寺は小骨壺と証明書の原本を持参します
家族に送る用(コピーしてLINEへ)

大阪のお寺への納骨のこと、調べたので共有します。

  • 一心寺は2021年1月1日から受け入れを制限していて、小さい骨壺(直径9cm・高さ11cm以下)に1人1壺だけです
  • 墓じまいなどでお墓から出した遺骨は受けてもらえず、改葬の受入証明も出ません
  • 四天王寺の納骨総祭塔(合同墓)は、改葬許可証があれば納骨できます。骨壺の大きさの制限はなく、予約も要りません(受付は8時30分〜15時、六時堂)
  • 大阪市の合葬式墓地なら、1体5万円です
  • 今のお墓の遺骨をどこへ移すか、一度話せますか

よくある質問

よくある質問①

墓じまいした遺骨を一心寺に納められますか

納められません。一心寺は2021年1月1日から、墓地の墓じまい・墓出しや各種納骨施設からの移転による納骨(改葬納骨)を受け付けていません。改葬受入証明も発行されないと案内されています。墓じまいのあとの納め先を探している場合は、四天王寺の納骨総祭塔や、公営の合葬(大阪市は1体5万円)を比べてください。

よくある質問②

一心寺の納骨にはいくらかかりますか

納骨冥加料は2万円・3万円・5万円で、永代供養料は別途必要です。納められるのは直径9cm以下・高さ11cm以下の小骨壺で、1霊につき1壺まで。胴骨(全骨)は納められません。火葬許可証、火葬済証明書、分骨証明書のいずれかの原本が必要で、コピーでは納骨できません。

よくある質問③

四天王寺の納骨総祭塔に、予約は要りますか

要りません。受付時間は8時30分〜15時(六時堂)です。火葬許可証(改葬なら改葬許可証)の原本、命日、戒名または俗名、故人の行年、申込者の印鑑と本人確認書類が必要です。遺骨は乾かして骨壺に入れ、白布に包んで持参します。骨壺の大きさに制限はありません。

よくある質問④

改葬で四天王寺に納めるときの書類は何ですか

改葬許可証の原本(1霊位につき1通)です。改葬許可証は、いま遺骨を預けている墓地や寺院の所在地の役所で申請します。役所によっては、現在の墓の管理者が発行する埋葬証明書と、四天王寺が発行する受入承諾書を求められます。受入承諾書は、原則として改葬許可の申請者本人が来山して手続きします。

よくある質問⑤

一心寺のお骨佛はいつ造られますか

10年ごとで、次は令和9(2027)年に開眼予定です。明治20年に1体目が造られ、戦前の6体は戦災で失われました。いま納骨堂に安置されているのは8体で、平成29年の第14期は平成19年から平成28年までの約22万体で造られています。納骨の翌年4月26・27日には「年次納骨供養大法要」の案内が届きます。

出典

  • 一心寺「納骨とお骨佛」、同「ご納骨 受入れ制限のお知らせ」(令和3年1月1日から)、同「ご参詣案内」
  • 四天王寺「四天王寺 納骨(合同墓)手続きについて」、同「ご遺骨の埋葬について」、同「永代供養のご案内」
  • 大阪市「瓜破霊園 合葬式墓地」
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