奈良で親のお墓を探すなら|市営の納骨堂は1体8万円で期限なし。親が奈良市民だったなら、市外に住む子も同じ8万円で申し込める
本ページはプロモーションが含まれています。
奈良市には、市営の合葬墓や樹木葬はありません。そのかわりに、2025年12月23日から新しい形の市営納骨堂が使われています。奈良市寺山霊苑納骨堂は、1体8万円で期限がなく、年会費もかかりません。全国どこに住んでいても申し込めます。この記事は、奈良市の条例・利用の手引き・市議会の答弁から、この納骨堂の決まりと、奈良で墓じまいを考えるときの手順を整理します。
- 寺山霊苑納骨堂の使用料は、1体につき市内8万円・市外15万円です。亡くなった人が奈良市民だった場合は、申し込む子が市外に住んでいても8万円です
- 期限はなく、ほかの人の遺骨と混ぜません。先着順で、上限は2万体。生前の申し込みも、ほかの墓からの改葬もできます
- 納めるのは小さな骨壺に入る分だけです。建物の中には入れず、線香は置けません。納めてから15年を過ぎた遺骨は返してもらえません

寺山霊苑納骨堂は、2025年12月に「期限なし」に変わった
寺山霊苑納骨堂(奈良市白毫寺町)は、以前からあった市の納骨堂を改修したものです。変わったのは、建物よりも決まりのほうです。
- 以前… 墓を用意するまでの一時預かり。期間は15年か3年。申し込めるのは市内の人だけ
- 今… 期間は無期限。全国どこに住んでいても申し込める。生前の申し込みもできる
以前の納骨堂は、ほとんど使われていませんでした。市は2022年5月の市議会で、約8,000体を保管できるのに、預かっているのは45体だと答えています。市長も翌月の定例会で、「私も初めて納骨堂の存在について恥ずかしながら再認識をさせていただきました」と述べました。
そこから条例を全部改め、2025年10月に新しい条例が施行され、12月23日に使い始めました。奈良市は「新しい墓地は作らない。今ある納骨堂の使い方を変える」という道を選んだことになります。市長は2021年と2022年に、市が新たな墓地を設ける必要性は低いと答弁しています。
納め方は次のとおりです。
- 2.3寸(直径約7.5cm、高さ約8cm)の骨壺に、1体ずつ納める。骨壺は市が用意する
- ほかの人の遺骨とは混ぜない
- 一定の年数がたったら合葬する、という決まりは条例にも手引きにもない
- 収蔵できるのは最大2万体
料金は市内8万円・市外15万円。分かれ目は2つある
使用料は、条例の別表で決まっています。
- 市内… 1体につき8万円
- 市外… 1体につき15万円
- 年会費・管理料… かからない。骨壺の費用も使用料に含まれる
「市内」になるのは、次のどちらかに当てはまる場合です。
- 申し込む人が奈良市に住んでいる
- 納める遺骨が、亡くなったときに奈良市に住んでいた人のものである
親が奈良市で亡くなったのなら、子が東京や大阪に住んでいても8万円です。逆に、申し込む人が奈良市に住んでいれば、市外で亡くなった親の遺骨でも8万円になります。どちらにも当てはまらない場合だけ、15万円です。
公営の合葬墓や納骨堂は、申し込む人か亡くなった人のどちらかが市民であることを条件にする市が多く、どちらも市外でも申し込める施設は多くありません。ほかの都市の料金と条件は公営の合葬墓を20都市で比べた|1体9,100円から16万円。市外に住む子が申し込めるかは、東と西で分かれたで比べています。
生前に申し込む場合は、申し込んだときに奈良市に住んでいれば、あとで市外へ引っ越しても追加の支払いはありません。
奈良市は、この納骨堂の使用権をふるさと納税の返礼品にもしています(市外に住む人だけが対象)。寄附の額は、亡くなったときに奈良市民だった人の遺骨で27万円、そうでない場合は50万円です。直接申し込む場合の8万円・15万円とは金額が違うので、どちらが合うかは、控除を受けられる額を確かめてから決めてください。
申請は、市の見込みの3倍を超えた
市は当初、申請を年500件と見込んでいました。

- 当初の見込み… 年500件(市内450件、市外50件)
- 事前申請の最初の23日間… 767件(351人)
- 事前申請の全体(2025年7月15日〜9月30日)… 1,566件
- 2025年度(2026年2月末まで)… 1,787件(市内1,680件、市外107件)
市議会での答弁によると、2025年10月からの本申請は、11月12日までの1,035件のうち781件が生前の申し込みでした。4件のうち3件は、自分の遺骨の行き先を先に決めておく人の申し込みです。
手引きは「申込数が上限に達した時点で受付を終了いたします。…お早めにご検討いただくことをおすすめいたします」と書いています。ただ、数字を並べると急ぐ理由は薄いと分かります。2025年度の約1,800件に、市が見込む2026年度の1,470件を足しても約3,300件で、上限2万体の6分の1ほどです。残りの数は公表されていませんが、家族で話し合う時間を削ってまで急ぐ段階ではありません。
申し込む前に、家族で確かめること
料金が安く、期限もない納骨堂ですが、ふつうの墓や寺院の納骨堂とは違う決まりがあります。

- 骨壺は直径約7.5cm。今の骨壺の遺骨が全部入るとは限らない
- 入りきらなかった遺骨は、希望すれば市が処分する
- 納骨堂の建物の中には入れない。お参りは外の祭壇でする
- 線香やろうそくは置けない。供物は持ち帰る
- 市は、合同慰霊祭などの宗教的な儀式や供養をしない
- 納める位置は選べない。夫婦でも骨壺は別々
- 遺骨を返してもらえるのは、納めてから15年間。それを過ぎると返還できない
- 払った使用料は、納める前に取りやめても戻らない
いちばん意見が分かれやすいのは、「入りきらない遺骨を処分してよいか」です。墓じまいで先祖の遺骨が何体も出てくる場合は、1体ごとに申請書と使用料が要ります。5体なら市内でも40万円です。全員を納めるのか、一部を別の合葬墓にするのかを、先に決めてください。
お経をあげてほしい、手を合わせる対象に近づきたい、という気持ちが家族にあるなら、寺院の永代供養墓のほうが合います。違いは永代供養とは何か|「永代」はずっと個別に置くという意味ではないと納骨堂とは何か|許可が要る施設だから、帳簿を見せてもらえるに書きました。
申し込みから納骨までの手順
申し込みは先着順で、いつでも受け付けています。
- 使用許可申請書を出す。オンライン、メール、郵送、窓口(市役所中央棟3階の斎苑管理課)のどれでもよい。骨壺1体につき申請書1枚
- 市から届く納入通知書で、使用料を払う
- 使用許可証を受け取る
- 電話で納骨の日を予約する
- 収蔵届、使用許可証、火葬許可証(墓から移す場合は改葬許可証)を出して、遺骨を持っていく
大きな骨壺から小さな骨壺への移し替えは、納骨堂の職員が行います。土葬されていた遺骨は、納める前に火葬が必要です。出張所や行政センターでは受け付けていません。
納骨堂のある寺山霊苑は、最寄りのバス停から1km以上歩きます。高齢の家族がお参りする場合は、車で行けるかを先に確かめてください。
今の墓から移すには、改葬許可が要る
墓から遺骨を移すときは、今の墓がある市区町村の改葬許可が要ります。実家の墓が奈良市内にある場合の決まりは、次のとおりです。
- 窓口… 斎苑管理課(市役所中央棟3階)。オンラインでも申請できる(マイナンバーカードが要る)
- 手数料… 1枚300円。遺骨1体につき1枚
- 必要なもの… 改葬許可申請書と、今の墓の管理者による埋蔵の証明。申請書の中に証明の欄がある
- 申請書に書くこと… 改葬する場所の住所と名称
移し先の受け入れ証明書は、市のページの「必要なもの」に載っていません。今の墓が寺院の墓地にある場合は、住職に証明欄へ記入してもらうことになるので、墓じまいの相談はその前に済ませておきます。実家の墓が奈良市の外にある場合は、その市町村に申請します。改葬許可の流れ全体は墓じまいの手続きはどこへ出す?改葬許可の流れと必要書類にまとめています。
納骨堂の使用料が1体8万円でも、今の墓石を撤去する費用は別にかかります。墓地の場所と通路の幅で費用が変わるので、現地を見てもらったうえで、複数の石材店の見積もりを比べてください。見積もりを取っても契約の義務はありません。
撤去の費用の目安は墓じまいの費用はいくら?実際に払った733人の分布と高くなる3つの条件に書きました。
墓石を建てる市営墓地は、年1回の募集
墓石のある墓を奈良市内に持ちたい場合は、市営墓地の募集があります。2025年度は寺山霊苑38区画と七条町南山墓地4区画の募集でした。
- 当初使用料(4㎡)… 寺山霊苑のA区は76万8,000円、C区は57万6,000円。七条町南山墓地は76万8,000円
- 年間使用料(4㎡)… 市内に住む人は4,000円
- 申し込める人… 奈良市に住民登録をして、実際に住んでいる世帯主
- 募集… 2025年度は11月4日から26日まで。申し込みが多い区画は公開抽選
- 条件… 許可から3年以内に墓石を建てる
市営墓地を継ぐ人が市外に住んでいる場合は、市内に住む管理人を立てる必要があり、年間使用料は市内の4倍(1㎡あたり4,000円、4㎡で1万6,000円)になります。親の市営墓地を市外の子が継ぐと、毎年の負担が増える決まりです。
返すときは、墓石を撤去して元の状態に戻します。使用料が戻るのは、許可から3年以内に全部を返した場合だけです(1年以内は9割、2年以内は7割、3年以内は5割)。長く使った墓では戻りません。
放置した場合の扱いも条例にあります。使用者の所在が10年分からないとき、または祭祀を主宰する人がいなくなって5年たったとき、市は遺骨を改葬できます。奈良市は2012年度から2018年度までに、合わせて405件の改葬の公告を出しました。市議会での答弁によると、名乗り出た人はいませんでした。誰が墓を継ぐかの決まり方は仏壇とお墓は遺産分割の対象外|誰が継ぐかは民法897条で決まる。相続放棄をしても継げますに、放置した場合の流れは墓じまいをしないとどうなるのか|放置した墓と、お金が無いときの順番に書きました。
墓石を建てる市営墓地は、ほかの市でも借り手が減っています。和歌山市の今福霊園は、2024年度の貸出が市の目標の24.3%でした(和歌山で親のお墓を探すなら|市営の合葬墓・納骨堂は無い。市営の今福霊園は1区画45万円で、貸出は目標の4分の1まで減った)。
奈良市の墓じまいは、全国より少ない
厚生労働省の統計から、改葬の件数を火葬の件数で割って比べました。
- 奈良市(2024年度)… 改葬389件、火葬100件あたり7.1件
- 奈良市(2021年度)… 改葬344件、火葬100件あたり8.3件
- 奈良県全体(2024年度)… 11.2件
- 全国(2024年度)… 10.6件
奈良市は全国より少なく、3年前より下がっています。この数字は2025年3月までのもので、納骨堂が変わる前です。1体8万円で期限のない受け皿ができたあと、市内の墓からの改葬が増えるかどうかは、次の統計で分かります。統計の読み方は墓じまい(改葬)は2024年度に17万6,105件|都道府県別に見ると、多いのは「お墓が出ていく県」だったに書きました。
進める順番
- 今の墓がどこにあるか(奈良市内か市外か、寺院か市営か)を確かめる
- 納める遺骨が何体あるかを数える。1体ごとに使用料がかかる
- 小さな骨壺に入る分だけを納めること、入りきらない遺骨の扱いを、家族で決める
- 寺山霊苑納骨堂に申し込むか、寺院の永代供養墓などにするかを決める
- 今の墓の管理者に証明をもらい、改葬許可を受ける
- 遺骨を取り出して納め、墓石を撤去する
奈良のお墓のこと、調べたので共有します。
- 奈良市の市営納骨堂(寺山霊苑)は、1体8万円で期限がなく、年会費もかかりません
- 亡くなった人が奈良市民だった場合は、申し込む人が市外に住んでいても8万円です
- 納めるのは小さな骨壺に入る分だけで、入りきらない遺骨は市が処分することになります
- 建物の中には入れず、市は供養をしません。15年を過ぎると遺骨は返してもらえません
- これでよいかどうか、一度みんなの気持ちを聞かせてもらえますか
よくある質問
ありません。市営であるのは、寺山霊苑納骨堂です。小さな骨壺に1体ずつ納める形で、ほかの人の遺骨とは混ぜません。期限はなく、使用料は1体につき市内8万円・市外15万円です。
申し込めます。市の手引きは「全国どこにお住まいの方でも申請可能です」としています。納める遺骨が、亡くなったときに奈良市に住んでいた人のものなら、申し込む人が市外でも8万円です。どちらも市外の場合は15万円です。
どちらもできます。生前の申し込みは、成年であれば本人が申請します。墓から移す場合は、今の墓がある市区町村の改葬許可証が要ります。土葬の遺骨は、納める前に火葬が必要です。
納めてから15年間は、申し出れば返してもらえます。15年を過ぎると返還できません。払った使用料は、返還を受けても戻りません。
出典
- 奈良市納骨堂条例・同施行規則、奈良市墓地条例・同施行規則(奈良市例規集)
- 奈良市「奈良市寺山霊苑納骨堂 利用の手引き」(令和8年1月)、奈良市の報道資料(2025年8月7日、寺山霊苑納骨堂の事前申請の状況)
- 奈良市「令和7年度 奈良市営墓地使用者募集案内」「改葬許可申請」のページ、墓地使用権承継申請書の様式
- 奈良市議会 定例会(2022年6月7日、2025年3月7日)、市民環境委員会(2022年5月12日、2025年11月14日)、予算決算委員会市民環境分科会(2025年3月17日、2026年3月19日)の会議録
- 厚生労働省「衛生行政報告例」令和3年度・令和6年度(改葬件数、火葬数)

