親の戸籍の集め方|2024年からは最寄りの役所で出生まで請求できる。法定相続情報一覧図にすれば写しは無料で使い回せる
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親が亡くなったあとの手続きでは、何度も同じことを求められます。「亡くなった方の、出生から死亡までの戸籍をそろえてください」。年金、預金、相続登記、借金の調査。2024年3月からは、子なら最寄りの市区町村の窓口で、親の戸籍をまとめて請求できるようになりました。そして集めた戸籍は、法務局で「法定相続情報一覧図」にしておくと、あとの手続きがずっと楽になります。この記事は、法務省・法務局と自治体の案内から、集め方と使い回し方を整理します。
- 2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍を請求できます(広域交付)。子は親の分を請求できますが、兄弟姉妹の分は請求できません
- 手数料は戸籍全部事項証明書が1通450円、除籍謄本や改製原戸籍は1通750円です。古い戸籍は、その日のうちに受け取れないことがあります
- 集めた戸籍を法務局に出すと、法定相続情報一覧図の写しを無料で必要な通数もらえます。戸籍の束は返してもらえます

親が亡くなったあとの手続きの期限は親が亡くなったあとの手続きと期限の一覧|7日・14日の届出から、3か月・10か月・3年まで。取り返しがつかないのは3か月に一覧にしました。戸籍を使う手続きの中身は、年金は親の未支給年金は、別居の子でも受け取れる|決め手は「生計同一」の申立書。仕送りの通帳や施設の領収書が証明になるに、借金の調べ方は親の借金を調べる方法|信用情報3機関の開示は合計6,080円。ただし「載っていない」は「借金がない」ではないに書きました。

なぜ「出生から死亡まで」の戸籍が要るのか
法務局の「よくあるご質問」は、理由をこう説明しています。
相続人を特定するには、亡くなった人のすべての戸籍を漏れなく確認する必要がある。戸籍は、生まれてから結婚や転籍、戸籍の作り直し(改製)などで、何種類にも分かれている場合がある。
作り直しは、昭和32年と平成6年の法務省令によるものが代表的です。親が昭和生まれなら、次のように分かれていることが多いはずです。
- 結婚前の戸籍(親の親が筆頭者の戸籍)
- 結婚してからの戸籍が、作り直す前の古い形のもの(改製原戸籍)
- コンピュータ化されたあとの戸籍(亡くなった記載があるもの)
役所で請求するときは「相続の手続きに使うので、出生から死亡までの連続した戸籍が要る」と伝えてください。法務局の資料も、そう伝えるよう案内しています。
2024年3月から、最寄りの窓口で請求できる
以前は、戸籍は本籍地の市区町村に請求するしかありませんでした。本籍地を何度も移した親なら、何か所もの役所に郵送で頼むことになります。
法務省によると、2024年3月1日から、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書や除籍証明書を請求できるようになりました。これを広域交付といいます。
請求できるのは、本人・配偶者・父母や祖父母など(直系尊属)・子や孫など(直系卑属)の戸籍です。亡くなった親の戸籍は、子が自分の住む町の役所でまとめて請求できます。
ただし、使えない場面もあります。
- 兄弟姉妹の戸籍は請求できません
- 郵送や代理人による請求はできません。本人が窓口に行きます
- 顔写真付きの身分証明書(運転免許証・マイナンバーカード・パスポートなど)が要ります。横浜市は、健康保険証では対応していないとしています
- コンピュータ化されていない一部の戸籍・除籍は対象外です
- 戸籍の附票は対象外です(大阪市)
注意:古い戸籍は時間がかかります。大阪市は、過去の除籍謄本や改製原戸籍は交付までに長時間かかる状況で、当日に渡せないときは、請求した本人が身分証明書を持ってもう一度来てほしいとしています。横浜市も、数量や混雑によって後日渡しになることがあると案内しています。午後の遅い時間に行くのは避けてください。
手数料は1通450円と750円
横浜市と大阪市の案内では、広域交付の手数料は次のとおりです。
- 戸籍全部事項証明書(いまの戸籍)… 1通450円
- 除籍全部事項証明書・除籍謄本・改製原戸籍謄本… 1通750円
仮の例で数えてみます。亡くなった親の戸籍が、結婚前の除籍、昭和の改製原戸籍、平成の改製原戸籍、最後の除籍の4通に分かれていて、相続人が子2人だった場合です。
- 親の除籍・改製原戸籍… 4通で3,000円(750円×4)
- 相続人(子2人)のいまの戸籍… 2通で900円(450円×2)
- 合計… 6通で3,900円
この1セットで、相続人が誰かを示せます。問題は、この束を何セット用意するかです。
提出先が多いなら、法定相続情報一覧図にする
戸籍の束は、提出先によっては返ってきません。信用情報機関の開示請求では、原本を求める機関があり、送った書類は返ってこないことを親の借金を調べる方法|信用情報3機関の開示は合計6,080円。ただし「載っていない」は「借金がない」ではないで確かめました。
原本を返さない提出先が3か所あれば、さきの例では3セットで11,700円になります。
そこで使うのが、法務局の法定相続情報証明制度です。法務局の案内をまとめると、次のようになります。
- 集めた戸籍の束と、相続人を一覧にした図(法定相続情報一覧図)を登記所に出す
- 登記官が確認して、認証文の付いた一覧図の写しを交付する
- 制度の利用は無料。写しは必要な通数もらえる
- 出した戸籍の束は、写しと一緒に返してもらえる
- 写しは、相続の手続きと年金などの手続きに使える
つまり、戸籍の束は1セットだけ取り、あとは一覧図の写しで回せます。一覧図の写しを使うと安くなる手続きもあります。証券保管振替機構(ほふり)への開示請求は1件6,050円ですが、一覧図のコピーを出すと4,950円です(親のスマホは初期化しない|デジタル遺品は「契約先」さえ分かれば止められる。証券口座の調査は結果まで約2か月)。
注意:一覧図は、戸籍に書かれた法定相続人を示すものです。相続放棄をした人や、遺産分割で何も相続しない人も載ります。放棄の手続きは家庭裁判所で別に行います。
一覧図の申出は、4つの登記所から選べて、郵送もできる
法務局の案内では、申出先は次の地を管轄する登記所から選べます。
- 亡くなった親の本籍地(亡くなったときの本籍)
- 亡くなった親の最後の住所地
- 申出をする人(申出人)の住所地
- 亡くなった親の名義の不動産の所在地
実家から遠くに住む子でも、自分の住む地域の登記所に出せます。窓口に行くほか、郵送でも申出と受け取りができます。郵送で受け取るなら、返信用の封筒と切手を同封します。

一覧図を作るときに、気をつけたいことが3つあります。
1つ目は、申出人を誰にするかです。一覧図は登記所で5年間保管され、その間は写しの再交付を受けられます。ただし再交付を受けられるのは、最初の申出書に申出人として名前を書いた人だけです。手続きを主に進める人を申出人にしてください。
2つ目は、続柄の書き方です。法務局は、続柄を「子」と書いても差し支えないが、その場合は相続税の申告など使えない手続きがあるとしています。戸籍のとおり「長男」「長女」と書いておけば、この心配はありません。相続税の申告が要りそうな家は実家の土地の相続税が8割減る「小規模宅地等の特例」|別居の子は「家なき子」の6要件。10か月の申告期限まで売らないも読んでください。
3つ目は、相続人の住所です。住所を書くかどうかは任意ですが、法務局は、書いておくと相続登記などで住民票の写しが要らなくなることがあるとしています。2024年4月1日からは、登記の申請書に一覧図の番号(法定相続情報番号)を書けば、写しの添付も省けます。相続登記そのものの期限は相続登記の期限は2027年3月31日|過料が来るのは「一部だけ登記した」とき。親の不動産を洗い出す証明書が始まったに書きました。
集める順番
最後に、順番をまとめます。
- 亡くなった親の住民票の除票と、いまの戸籍(亡くなった記載のあるもの)を取る
- 最寄りの役所の窓口で、広域交付で「出生から死亡までの連続した戸籍」を頼む。当日にそろわなければ、後日もう一度行く
- 広域交付で取れない戸籍(コンピュータ化されていないものなど)は、本籍地の役所に郵送で請求する
- 相続人全員のいまの戸籍を取る(親が亡くなった日以後のもの)
- 法定相続情報一覧図を作り、登記所に申出る
- 写しを、年金・預金・相続登記・信用情報の開示などに回す
法務局に預けた遺言書があるかどうかも、集めた戸籍や一覧図の写しで確かめられます(親の遺言書は、見つけても開けない|家庭裁判所の検認は年2万3,523件。法務局に預けた遺言は800円で有無を調べられる)。
期限のある手続きと並べて考えるなら、実家じまいは何から始める?5つの段階と、かかるお金の全体像の期限表を先に見てください。相続放棄の3か月は、戸籍集めを待ってくれません。
相続の手続きに使う戸籍のこと、調べたので共有します。
- 2024年3月から、親の戸籍は最寄りの役所の窓口でまとめて請求できるようになりました。本人が顔写真付きの身分証を持って行きます
- 手数料は1通450円、古い戸籍は750円です。古い戸籍は、その日のうちに受け取れないこともあるそうです
- 集めた戸籍を法務局に出すと「法定相続情報一覧図」の写しを無料で必要な数もらえて、戸籍は返してもらえます
- 年金や銀行、借金の調査などで同じ戸籍を何度も求められるので、一覧図を作っておくと楽です
- 再交付を受けられるのは申出人だけなので、手続きを主に進める人を決めませんか
よくある質問
2024年3月1日からは、本籍地以外の市区町村の窓口でも請求できます。法務省が案内する広域交付です。子は、亡くなった親の戸籍を自分の住む町の役所でまとめて請求できます。ただし本人が窓口に行く必要があり、郵送や代理人による請求はできません。顔写真付きの身分証明書が要ります。
取れません。広域交付で請求できるのは、本人・配偶者・父母や祖父母など・子や孫などの戸籍です。兄弟姉妹は含まれていません。コンピュータ化されていない一部の戸籍や、戸籍の附票も対象外です。これらは本籍地や住所地の役所に請求してください。
戸籍全部事項証明書は1通450円、除籍謄本や改製原戸籍謄本は1通750円です(横浜市・大阪市の案内)。親の戸籍が4通に分かれ、相続人が子2人なら、合計6通で3,900円が目安です。法定相続情報一覧図の制度そのものは無料ですが、戸籍の手数料と郵送料は別にかかります。
親の本籍地、親の最後の住所地、申出人の住所地、親名義の不動産の所在地のどれかを管轄する登記所です。法務局の案内による選び方です。窓口のほか、郵送でも申出と受け取りができます。出した戸籍の束は写しと一緒に返してもらえますが、本人確認の書類(免許証のコピーなど)は返されません。
5年間は再交付を受けられます。一覧図は申出日の翌年から数えて5年間、登記所で保管されます。ただし再交付を受けられるのは、最初の申出書に申出人として名前を書いた人だけです。ほかの相続人は再交付を受けられないので、手続きを主に進める人を申出人にしてください。
載ります。法務局は、一覧図は戸籍の記載に基づく法定相続人を示すもので、相続放棄や遺産分割の結果として実際には相続しない人も記載されるとしています。一覧図を出す先には、放棄をしたことを示す書類など、ほかに要る書類を先に確かめてください。
出典
- 法務省「戸籍証明書等の広域交付について」(令和7年3月21日更新)
- 横浜市「戸籍証明書の広域交付について」(2026年6月3日更新)
- 大阪市「大阪市外の他市区町村の戸籍証明書の交付請求(戸籍証明書等の広域交付)」(2026年3月25日更新)
- 法務局「法定相続情報証明制度について」「法定相続情報証明制度の具体的な手続について」(2024年4月1日更新)
- 法務局「必ず用意する書類/必要となる場合がある書類」「よくあるご質問」
- 証券保管振替機構 相続人向けの開示請求の案内(2026年8月版)

