長崎で親のお墓を探すなら|墓じまいは火葬100件に56件で全国の市で最多。市営の合葬墓は無く、市営墓地の空きは22区画
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長崎で墓じまいを考えているなら、それは珍しいことではありません。長崎市の改葬(遺骨を別の墓へ移すこと)は、2024年度に火葬100件あたり56.2件でした。全国の5.3倍で、国の統計に載る市の中で最も多い数字です。ところが、移し先になる市営の合葬墓はまだありません。この記事は、長崎市の資料と市議会の答弁から、墓じまいの移し先の探し方と手続きを整理します。
- 長崎市の改葬は火葬100件あたり56.2件で、全国(10.6件)の5.3倍。3年前の1.87倍に増えました
- 長崎市に市営の合葬墓・納骨堂・樹木葬はありません。市営墓地7か所の空きは22区画で、管理料はかかりません
- 市のアンケートでは約8割が合葬墓を「必要」と答えましたが、市は「研究」の段階です。移し先は民間の納骨堂や合葬墓が中心です

長崎市の墓じまいは、全国の市で最も多い
厚生労働省の衛生行政報告例(令和6年度)から、改葬の件数を火葬の件数で割って比べました。

- 長崎市… 改葬3,559件、火葬100件あたり56.2件
- 3年前(令和3年度)… 1,900件、33.8件
- 長崎県全体… 32.5件(都道府県で全国1位)
- 全国… 10.6件
長崎市の改葬は、3年で1.87倍に増えました。年間の火葬が2,000件以上ある市の中で比べると、2番目の呉市(40.2件)、3番目の佐世保市(34.3件)を大きく上回ります。政令市でいちばん多い神戸市でも22.1件です。
改葬の許可は、いま遺骨がある墓の市区町村が出します。つまりこの数字は、長崎市内の墓から遺骨が出ていった数です。県全体の数字の読み方は墓じまい(改葬)は2024年度に17万6,105件|都道府県別に見ると、多いのは「お墓が出ていく県」だったに書きました。
年によって大きく動く市もあります。那覇市は2024年度が30.2件ですが、ユンヂチだった2023年度は47.6件でした(沖縄・那覇で墓じまいするなら|改葬は全国の約3倍。那覇市民共同墓は1体3万円で随時受付、個人の墓は「地図」で申請できる)。
なぜ長崎で墓じまいが多いのか
統計は理由を示しません。ただ、長崎市の議会とアンケートには、背景になりそうな事情が出てきます。
- 市営墓地7か所のうち6か所は明治より前に開かれた墓地で、水道がない。水道があるのは香焼中央墓地だけ
- 議員が「坂の上の墓地まで高齢者が水を運んでいる」と指摘している
- 市のアンケートで「合葬墓が必要」と答えた理由に、「長崎特有の地形により、墓地が山間部や斜面地に位置しており、高齢者にとって…困難」という声がある
- 墓の不安として多かったのは「維持管理が困難(遠方・高齢)」37.0%、「継承者がいない」31.7%
斜面の墓に通えなくなった家族が、墓を片づけて遺骨を移している。数字と市民の声を並べると、そう読めます。ただし、これは市が理由として示したものではありません。
長崎市に、市営の合葬墓は無い
長崎市は、令和6年11月の市議会で「現在、長崎市には、共同で遺骨を埋蔵するための市営合葬墓は設置しておりません」と答えています。市営の納骨堂や樹木葬もありません。
同じ答弁で、市内には民間の墓地が1,271か所、納骨堂が139か所あり、合葬墓を併設しているところもある、としています。墓じまいした遺骨の移し先は、民間の納骨堂や寺院の合葬墓が中心になります。
市は令和7年度に、市政モニター212人に合葬墓についてのアンケートを取りました。
- 合葬墓は必要か… 「必要である」40.5%、「どちらかといえば必要」38.6%。合わせて約8割
- 利用したいか… 「ぜひ利用したい」9.1%、「将来的な選択肢の一つ」55.5%
- 適切だと思う使用料… 「5万円未満」29.4%、「5〜10万円未満」25.6%
- 納め方… 「一定期間保管した後に合葬」38.3%、「直接合葬でよい」28.2%
市は「今後も、お墓の在り方について研究を進めてまいります」としていて、整備の時期や料金は決まっていません。ほかの都市の公営の合葬墓は公営の合葬墓を20都市で比べた|1体9,100円から16万円。市外に住む子が申し込めるかは、東と西で分かれたで比べています。
民間の納骨堂を選ぶときに確かめることは納骨堂とは何か|許可が要る施設だから、帳簿を見せてもらえるに書きました。
同じように市営の合葬墓が無かった岐阜市は、斎苑の式場を納骨施設に改装する工事に入りました(岐阜で親のお墓を探すなら|市営の合葬墓はいま工事中。市営墓地は返還が申込の2.8倍で、墓じまいすると使用料の3分の1が戻る)。
市営墓地は7か所、空きは22区画
長崎市の市営墓地(市有墓地)は7か所です。
- 浦上墓地(上銭座町)… 200区画
- 昭和墓地(花丘町)… 191区画
- 住吉墓地(泉)… 369区画
- 家野墓地(家野町)… 456区画
- 香焼中央墓地(香焼町)… 229区画
- 大浦国際墓地・坂本国際墓地… 市民の利用はない
空いている区画は、令和7年9月の時点で全体で22区画でした。新しく使い始める人は、ここ5年で年に3〜5区画です。
使用料は、令和8年4月から全墓地共通で1㎡あたり7万2,480円に上がりました(それまでは4万8,000円〜7万円)。市の資料によると、1区画あたり平均で約10万7,000円の値上げです。今使っている人には影響しません。管理料はかかりません。
直近の募集は、2026年1月13日から2月2日まで(必着)、浦上・住吉・家野・香焼中央の空き区画を対象に行われました。長崎市に住んでいて、市有墓地を使っておらず、2年以内に墓石を建てる予定の人が対象です。
区画が取れたら、墓石は自分で石材店に頼みます。使用料(1平方メートルあたり7万2,480円)とは別の費用です。石屋千鳥は北海道から沖縄まで対応する墓石店で、390種類以上のデザインを載せたカタログを無料で配っています(公式サイト、2026年10月14日確認)。募集は年に1回程度で区画も少ないので、カタログは募集の前に取り寄せておくと、当選後に慌てずに済みます。
長崎市で墓じまいするときの手続き
改葬の手続きは次のとおりです。
- 窓口… 市民健康部生活衛生課(市役所11階)か、各地域センター
- 申請書… 今の墓の管理者の署名と押印が必ず要る。墓の名義人と申請者が違うときは名義人の署名も要る
- 交付… 書類がそろっていれば、その場で改葬許可証が出る

地域の共同墓地にある墓は、管理している人を探すところから始まります。長崎市には、名義は市で地域が管理している「旧慣墓地」が239か所あると、市が答弁しています。誰に署名をもらえばいいか分からないときは、地元の自治会や近くの墓の持ち主に聞くのが早道です。
市有墓地を返すときは、墓石を撤去して元の状態に戻す必要があります。使用者が戻さない場合は市が行い、費用を請求します(条例第11条)。納めた使用料は戻りません(条例第6条)。
長崎の墓は斜面にあるものが多く、重機が入らない場所では人の手で墓石を運び出すため、撤去の費用が変わります。現地を見てもらったうえで、複数の石材店の見積もりを比べてください。見積もりを取っても契約の義務はありません。
改葬許可の流れ全体は墓じまいの手続きはどこへ出す?改葬許可の流れと必要書類にまとめています。同じ九州の鹿児島市と福岡市は、市営の合葬墓を持っています(鹿児島で親のお墓・納骨堂を探すなら|市営合葬墓は1柱3万8,000円。ただし民営と市外からの改葬は受けない、福岡で親のお墓・納骨堂を探すなら|市の合葬式墓所は6万4,000円。墓じまいする人には抽選のない別枠がある)。
ほかの都市の公営の合葬墓と、料金・申込資格・抽選か随時かを比べるなら、公営の合葬墓を20都市で比べた|1体9,100円から16万円。市外に住む子が申し込めるかは、東と西で分かれたに20都市を並べました。
進める順番
- 今の墓が市有墓地か、寺院の墓地か、地域の共同墓地かを確かめる
- 遺骨の移し先(民間の納骨堂、寺院の合葬墓など)を比べて決める
- 移し先の管理者に、受け入れの手続きを確かめる(移し先には改葬許可証を出して納める)
- 今の墓の管理者に署名と押印をもらい、生活衛生課か地域センターで改葬許可を受ける
- 遺骨を取り出して移し、墓石を撤去する
お墓を閉じたあとに実家も壊すなら、長崎市の解体の補助は税抜の工事費の4割・上限50万円で、市の判定が先に要ります。長崎県13市の比較は長崎県の13市の空き家解体補助金を市ごとに比べた|11市に制度があり、多くは工事費の4割。どの市も市の判定が先に書きました。
長崎のお墓のこと、調べたので共有します。
- 長崎市の墓じまいは、火葬100件に56件で、全国の5倍以上だそうです
- 長崎市には市営の合葬墓がなく、移し先は民間の納骨堂やお寺の合葬墓が中心です
- 改葬の申請には、今のお墓の管理者の署名と押印が必ず要ります
- 市のアンケートでは8割の人が合葬墓を必要と答えていますが、まだ作る時期は決まっていません
- お墓をどうするか、一度話し合えますか
よくある質問
ありません。長崎市は令和6年11月の市議会で「市営合葬墓は設置しておりません」と答えています。市営の納骨堂や樹木葬もありません。市内には民間の墓地が1,271か所、納骨堂が139か所あり、合葬墓を併設しているところもあります。
全国の市で最も多い水準です。2024年度の改葬は3,559件で、火葬100件あたり56.2件でした。全国の10.6件の5.3倍で、年間の火葬が2,000件以上ある市の中では最も多い数字です(厚生労働省の統計から当サイトが計算)。
ほとんどありません。市有墓地7か所の空きは、令和7年9月の時点で全体で22区画でした。募集は年1回ほどで、長崎市に住んでいて2年以内に墓石を建てる予定の人が対象です。使用料は令和8年4月から1㎡あたり7万2,480円で、管理料はかかりません。
今の墓の管理者の署名と押印が必ず要ります。申請書は生活衛生課か各地域センターに出し、書類がそろっていればその場で改葬許可証が出ます。地域の共同墓地の場合は、管理している人を先に探す必要があります。
出典
- 長崎市議会 令和6年第4回定例会(2024年11月29日)・令和4年・令和5年の会議録、令和7年9月 総務委員会資料(第156号議案)
- 長崎市「使用料・手数料の見直し」、長崎市有墓地条例・同施行規則
- 長崎市「市政モニターアンケート(お墓の在り方について)」令和7年度
- 長崎市「広報ながさき2026年1月号 市有墓地の利用者募集」「お墓の改葬の手続き」
- 厚生労働省「衛生行政報告例」令和3年度・令和6年度(改葬件数、火葬数)

