解体

多摩26市の空き家解体の助成を市ごとに比べた|使える制度があるのは13市、上限は30万〜100万円。八王子市は受付終了、府中市・西東京市は住んでいる家だけ

杉野 一樹

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実家が東京都の市部、いわゆる多摩地域にあり、空き家になった家を壊すとき、市から助成が出るのか。同じ東京都でも、23区とは制度の厚さがかなり違います。多摩26市の公式ページと要綱を同じ項目で読むと、空き家の解体に使える市の制度を確認できたのは13市、上限は30万円から100万円でした。

この記事で分かること
  • 26市のうち、空き家の解体に使える市全域の制度を確認できたのは13市です。日野市は跡地を地域のために使う事業者向けの制度で、一般の解体には使いにくい形でした
  • 上限は30万円(小金井・東村山・東大和・多摩・福生)から100万円(八王子・稲城)。23区(50万〜200万円)より低めで、補助率3分の1の市が5つあります
  • 2026年10月17日の時点で、八王子市は今年度の受付を終了、稲城市は予算上限で一時停止、狛江市は停止のあと調整中でした。府中市・清瀬市・西東京市は住んでいる家だけが対象で、空き家には使えません
実家じまいの5段階。お墓、仏壇・位牌、片付け、家をどうするか、解体。この記事は解体
この記事は⑤解体の、多摩26市の助成を比べる話です。

23区の比較は東京23区の空き家解体の助成を区ごとに比べた|区全域で使えるのは17区、上限は50万〜200万円。品川区は工事費の全額、千代田区と港区は見つからなかったに、政令指定都市20市の比較は空き家の解体補助金を政令市20市で比べた|制度があるのは15市、上限は20万〜100万円。千葉市と静岡市は10月の時点で今年度の受付が終わっていたに、補助金の仕組み(申請の順番、更地にすると固定資産税が上がること)は空き家の解体に補助金は使える?受付は1か月、税金は上がるに書きました。この記事は多摩26市だけを並べます。

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26市の結果:使える制度を確認できたのは13市

個人が持つ空き家(住宅)を解体するときに使える市の助成を、2026年10月17日に各市の公式ページ、要綱、パンフレットで確かめました。塀だけの助成と、建て替えが条件で解体だけでは出ないものは除いています。

  • 空き家の解体に使える市全域の制度がある… 13市(八王子・立川・武蔵野・昭島・町田・小金井・東村山・国分寺・福生・狛江・東大和・多摩・稲城)
  • 跡地を地域のために使う場合に限る… 日野市
  • 空き家に使える制度を確認できなかった… 12市(三鷹・青梅・府中・調布・小平・国立・清瀬・東久留米・武蔵村山・羽村・あきる野・西東京)

13市のうち、空き家のための制度は八王子市(相続した空き家)と福生市の2市です。残りの11市は、1981年(昭和56年)5月31日以前の旧耐震の木造住宅の耐震助成の中にある「除却」で、今回読んだ範囲では住んでいることを条件にする記載はありませんでした。ただ、「空き家でも使える」と明記した市もないので、申し込む前に市に確かめてください。

日野市の制度は、空き家を地域の活動の場として10年以上使う事業者が申請するもので、除却費の5分の4・上限200万円です。自分で売る・使う目的の解体には使えません。

使えない12市の理由

確認できなかった12市は、理由が3つに分かれます。

  • 住んでいる家だけが対象… 府中市、清瀬市、西東京市。耐震の助成に除却はありますが、所有者や親族が現に住んでいることが条件です。清瀬市は2026年度の受付も予算に達して終了していました
  • 建て替えが条件… 調布市、あきる野市。解体だけでは出ません
  • 解体の助成そのものが見当たらない… 三鷹市、青梅市、国立市、東久留米市、武蔵村山市、羽村市

小平市は、2026年10月17日の時点で市のホームページがシステム障害で見られない状態でした。例規集に除却の補助要綱は見当たりませんでしたが、復旧後に確かめ直します。

西東京市は、空家等対策計画に「老朽危険空き家除却費助成金」(2023年4月開始)の記載があります。ただ、制度の案内ページも要綱も金額も見つからなかったので、ここでは「確認できなかった」に入れています。実家が西東京市にあるなら、市の住宅課に直接聞いてください。

上限は30万円から100万円。23区より低い

多摩26市の空き家解体の助成の上限額。市全域で使える13市の戸建ての主な型で、30万円が5市、50万円が4市、70万〜80万円が2市、100万円が2市
使える13市の上限額です。30万円の市が最も多い。

戸建ての主な型の上限額と補助率です。

  • 30万円… 小金井市(2分の1)、東村山市(3分の1)、東大和市(3分の1)、多摩市(2分の1)、福生市(2分の1。長屋・共同住宅は1棟100万円)
  • 50万円… 立川市(2分の1)、武蔵野市(2分の1。非木造は75万円)、昭島市(3分の1)、町田市(100分の23)
  • 70万円… 国分寺市(3分の1)
  • 80万円… 狛江市(3分の1)
  • 100万円… 八王子市(3分の2)、稲城市(2分の1)

23区は上限50万〜200万円で、補助率3分の1は台東区だけでした。多摩では3分の1以下の市が6つあり、上限も低めです。同じ東京都でも、実家が区部か市部かで、受け取れる額は数倍違います。

八王子市は、相続してからの年数で上限が下がります。

  • 相続発生日から3年を経過する年度まで… 100万円
  • 5年を経過する年度まで… 50万円
  • 10年を経過する年度まで… 25万円

相続してすぐ壊すほど手厚い、という設計は、調べた26市で八王子市だけでした。ただし、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除が使える人は原則として対象外です。控除は相続した実家を売ると税金はいくら?3,000万円控除の条件と期限に書きました。

隣の千葉県の37市では、使える制度があるのは15市、上限は20万円から100万円でした。比較は千葉県の37市の空き家解体補助金を市ごとに比べた|使える制度があるのは15市、上限は20万〜100万円。10月の時点で6市が今年度の受付を終えていたに書きました。

埼玉県の40市では、上限30万円の市が16で、市内の業者に頼むと上限が上がる市が7つありました。比較は埼玉県の40市の空き家解体補助金を市ごとに比べた|使える制度があるのは20市、上限は30万円の市が16。判定なしで使える市が9つ、さいたま市はまだ無いに書きました。

となりの神奈川県の19市では、市内のどこでも空き家の解体に使える補助があるのは8市で、上限は35万円から80万円でした。比較は神奈川県の19市の空き家解体補助金を市ごとに比べた|使えるのは8市。横浜・相模原・厚木は上限50万円、秦野は80万円。藤沢・鎌倉など9市は見当たらないに書きました。

受付が終わった市、止まっている市

2026年10月17日の時点で、公式ページに次の記載がありました。

  • 八王子市… 「※今年度の受付は終了しました。」上限額の3つの区分すべてに「受付終了」
  • 稲城市… 「本年度の木造住宅耐震除却助成金申請受付は、予算上限に達したため新規受付を一時停止しております。」
  • 狛江市… 「予算が上限に達したため一旦受付を停止していましたが、現在調整中であり、ご相談には対応できますのでご連絡ください」
  • 昭島市… 「除却工事 予算上限に近づいたため、要相談」。締切は11月30日

締切が年内の市も多くあります。

  • 11月30日まで… 昭島市
  • 12月11日まで… 町田市、東村山市(どちらも先着順)
  • 12月15日まで… 狛江市、東大和市
  • 2027年1月末まで… 国分寺市(1月29日)、多摩市

多摩の市は予算が小さく、年度の前半で止まる市があります。使うつもりなら、4月の受付開始に合わせて動くのが確実です。今年度に間に合わない場合、来年度の受付時期を市に聞いておいてください。

判定・診断が要る市、要らない市

13市のうち12市は、耐震診断で耐震性が足りないとされることが条件です。

  • 簡易な診断や調査票で足りる… 八王子市、武蔵野市、昭島市、町田市、狛江市、東大和市
  • 多摩市は「総合評点0.7未満」と厳しく、1.0未満では足りません
  • 福生市は、診断も市の認定も条件にしていません。1981年5月31日以前に着工した住宅で、おおむね1年以上住んでいない状態なら対象です

23区の墨田区や杉並区のように、市が不良住宅や特定空家等と判定することを条件にする型は、多摩の市にはありませんでした。

相続した人、住んでいない人が申し込めるか

相続した実家を壊す場合に使えるかは、市の書き方で分かれます。

  • 町田市… よくある質問で「相続された方の名前で申請することができます。」と案内しています。相続登記の前でも申し込めます
  • 稲城市… 登記していない相続人も、遺産分割協議書などで所有権を示せば申し込めます
  • 八王子市… 相続で取得した人だけが対象です。相続登記の完了が要件ですが、遺産分割協議書でも確認できる形です
  • 武蔵野市… 市長が特に必要と認めれば所有者以外も申請でき、相続したが未登記の物件向けの同意書の様式があります

ほかの条件にも違いがあります。

  • 多摩市… 所有者の世帯全員の所得の合計が1,200万円以下(多摩の市で所得制限があるのはここだけでした)
  • 町田市… 賃貸用の住宅は対象外
  • 立川市… 税抜30万円以上の工事が対象
  • 東村山市… 市内で講習を受けた業者に頼むことが条件
  • 福生市… 法人も申請できる

相続登記の期限は相続登記の期限は2027年3月31日|過料が来るのは「一部だけ登記した」とき。親の不動産を洗い出す証明書が始まったに書きました。

契約は交付決定のあと

ほかの市区と同じく、多摩の市でも、交付決定の前に解体業者と契約したり工事を始めたりすると対象外になるのが原則です。八王子市の要綱も、交付決定の前に契約していないことを補助の要件にしています。

見積書は申請に添えるので、見積もりは先に取り、契約は交付決定のあとに結ぶ順番になります。予算が小さい市が多いので、見積もりを早めに取って、受付が始まったらすぐ申し込める状態にしておくと間に合いやすくなります。

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市の助成の申請には工事費の見積書が要りますが、契約は交付決定のあとです。先に複数の解体業者の見積もりを取って金額の見当をつけ、交付決定が届いてから契約する順番にしてください。見積もりを取っても契約の義務はありません。

解体費が何で決まるかは家の解体費用は坪数で決まらない|見積書で見るべき7項目に、壊す前の石綿の事前調査はアスベストの調査費は削れない|法が発注者に費用負担を求めている。80平方メートルで報告が立つに書きました。

市の助成が使えないとき

実家の市に制度が無い、住んでいる家だけが対象、今年度の受付が終わった。こうした場合でも、解体の段取りは同じです。

進める順番

多摩の市で空き家の解体助成を使う前に確かめること。住んでいる家だけが条件の制度ではないか、今年度の受付が続いているか、耐震診断が要るか、相続人が申請できるか、契約と着工は交付決定のあと、業者の条件
制度、条件、順番の順に確かめます。
  1. 実家の市の公式サイトで「木造住宅 除却」「空き家 除却 補助」を探し、住んでいる家だけが条件の制度ではないかを確かめる
  2. 今年度の受付が続いているか、予算の残りを市に聞く
  3. 耐震診断や簡易診断が要るかを確かめ、要るなら先に受ける
  4. 相続人の名前で申請できるか、相続登記が先に要るかを聞く
  5. 解体業者の見積もりを複数取る。業者の条件(市内業者、講習)も確かめる
  6. 交付申請を出し、交付決定を待つ。契約と着工はそのあと
  7. 工事が終わったら実績報告を出し、補助金を受け取る。登記のある建物は1か月以内に滅失登記をする
家族に送る用(コピーしてLINEへ)

実家を壊すときの市の助成のこと、調べたので共有します。

  • 多摩の26市のうち、空き家の解体に使える市の制度があるのは13市でした
  • 上限は30万円から100万円で、23区より低めです
  • 府中市や西東京市などは、住んでいる家だけが対象で、空き家には使えません
  • 八王子市は今年度の受付が終わり、稲城市は一時停止していました
  • 業者との契約は、市の交付決定が出てからです
  • 実家の市の制度と、来年度の受付時期を一緒に確かめてもらえますか

よくある質問

よくある質問①

多摩地域で空き家を解体すると、市の助成は出ますか

市によります。2026年10月に多摩26市を調べたところ、空き家の解体に使える市全域の制度を確認できたのは13市でした。府中市・清瀬市・西東京市は住んでいる家だけが対象、調布市とあきる野市は建て替えが条件、三鷹市など6市は解体の助成そのものが見当たりませんでした。

よくある質問②

いくら出ますか

使える13市で、上限は30万円から100万円です。30万円が5市(小金井・東村山・東大和・多摩・福生)で最も多く、100万円は八王子市(相続から3年以内の区分)と稲城市です。23区の上限(50万〜200万円)より低めです。

よくある質問③

八王子市の空き家の解体補助は使えますか

2026年度の受付は終了しています。八王子市の未耐震空き家除却支援補助金は、相続で取得した空き家が対象で、補助率3分の2、上限は相続からの年数で100万円・50万円・25万円です。来年度の受付時期を市に確かめてください。

よくある質問④

相続した実家でも申し込めますか

申し込める市が多いですが、書き方は市で違います。町田市は相続した人の名前で申請できると案内し、稲城市は遺産分割協議書などで所有権を示せば申し込めます。八王子市は相続で取得した人だけが対象です。

出典

  • 各市の公式ページ・要綱・パンフレット(2026年10月17日に確認):八王子市「八王子市未耐震空き家除却支援補助金のご案内」と交付要綱、稲城市「木造住宅耐震改修等助成金」、日野市「日野市空き家地域貢献活用改修等補助金交付要綱」、狛江市「木造住宅耐震助成」、国分寺市・昭島市・立川市・武蔵野市・小金井市・東村山市・東大和市の木造住宅の耐震助成(除却)のページ、町田市「除却工事」とよくある質問、多摩市「木造住宅の除却補助制度」、福生市の空き家の除却補助のページ、府中市・清瀬市・西東京市の木造住宅耐震改修等助成、調布市・あきる野市の建替え助成、西東京市空家等対策計画、小平市ホームページ(障害の臨時ページ)
  • 分類と集計は当サイトによるもの。個人が所有する住宅の解体に市全域で使える制度を、戸建ての主な型で比べた
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